永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

フリーランス論。

詳細が決まり次第、あらためて告知するが、あるWebサイトのオンラインイベントに登壇させていただくことになった。

「フリーランスとして、どう仕事をしてきたのか」というのがテーマ。

カメラマン、ライターとして働いて、経済的に豊かになったというサクセスストーリーであれば、聞き応えがあるものになると思う。実際、「月収○十万円!」をウリにしているライターもいるし。

私はというと、カネとはまったくの無縁(笑)。以前に同業者の勉強会で講演をしたとき、質疑応答で

「ぶっちゃけ、年収はいくらですか?」との質問を受けて、大まかな金額を話したらハナで笑われた。きっと、質問をした同業者は稼ぐために、稼ぐことを喜びに文章を書いてらっしゃるんだろう。

私は、ただ、自分の好きなことをやっているだけ。誰からも、何も縛られることなく自由に生きたいから写真を撮り、文章を書いている。

「お金がなかったら自由なんて言ってられないでしょ」なんて言われたこともある。わかってないなーって思う。自由を縛るものはカネではなくて、心なんだってば。会社勤めをしていても、自由を謳歌している人もいる。かなり少数派だろうけど。

私はそんな器用なことはできなかった。だから、会社勤めはたった5年半しか続かなかった。だからと言って、自分を社会不適格者とは思っていない。むしろ、社会がオカシイ(嘘)。

そんなことを考えていたら、『アメトーーク』で「40歳過ぎてバイトやめられない芸人」をやっていた。40歳を過ぎてもバイトをしているということは、芸人の間では存在を知られているかもしれないけど、世間的には「売れていない芸人」ということになるだろう。その一人が

「博多大吉さんに言われた『お金がないことを理由に芸人を辞めるな』というひと言が思い止まらせた」と語っていた。これは私の心にも響いた。ブログを書く手が止まり、見入ってしまった。そして、泣けた。

芸人は生きていくための手段ではなく、生き方そのものなのである。それはフリーランスも同じことだと思っている。

フリーランスにとって、もっとも大切なこと。それは人それぞれで、フリーランスの数だけあると思う。

私は、こう思う。フリーランスならではの自由を、仕事をしながら楽しむ、いや、仕事そのものが自分自身を自由にするものだな。思う存分、自由を、仕事を楽しむことだ。そこに人も、別の新しい仕事も集まってくる。