永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

メシが不味くなる。

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昨日は、午後から撮影。建国記念日ということもあって、撮影現場へ向かう14時まではのんびりと過ごすことに決めた。せっかくなので、お昼は好きなものを食べようと思い、真っ先に浮かんだのが春日井市『圓家 本店』の「特製チャーハン玉子のせ」。そういえば、最近食べていないということに気がついたのだ。

11時半過ぎに車を走らせて店へと向かった。到着したのが12時過ぎ。お昼のピーク、それも祝日なので駐車場は満車。空くのを待っている車もあって、泣く泣く断念した。

でも、「特製チャーハン玉子のせ」はどうしても諦められない。そこで本店から車で10分くらいの場所にある『チャンポンハウス あぶらや』へ向かった。そこはかつて『圓家 春日井市民病院前店』として営業していた。どんな経緯で店名が変わったのかはわからないが、『圓家』と同じメニューを出している。

席数も駐車場も本店よりも多い。おかげで待たずに入ることができた。カウンター席に案内されて、お目当ての「特製チャーハン卵乗せ」を注文。ふと、隣の席を見ると、30代前半のオタクっぽい客が「特製チャーハン玉子のせ」の大盛りをがっついていた。

その量は凄まじく、大盛りにしなくて良かったと胸を撫で下ろしたとき、注文したメニューが目の前に運ばれた。おおっ!このビジュアル!これを待っていたのだ。フワフワの玉子にレンゲを入れて、いざ、実食!というときに隣のオタク客が店員さんに何か話している。

「唐揚げを注文したんだけど、オーダーはちゃんと通ってます?」と、ややご立腹の様子。チャーハンとおかずを一緒に注文したら、同時に持ってこいとまでは言わないが、チャーハンを1/3くらい食べ終わるまでには出してほしい。彼はすでに半分以上を平らげていた。うん、わかるよ。その気持ち。と、ここまでは彼に同情していた。

ところが、コイツは店員さんがその場を去ってから、「ったく、遅えんだよ!」、「オーダー通ってんだろ?」、「早く作れや!」、「あー、もう帰ろうかな」などと、ずっと文句を言っている。しかも、小声で。厨房の中華鍋を振る音で声はかき消されて店員さんには聞こえない。でも、隣に座っている私にはまる聞こえなのである。

彼はとうとう我慢の限界に達したようで、再び店員さんを呼び、「唐揚げ、まだ出てこないんだったら、もう…」と怒り口調で話しかけた。その直後、店員さんは厨房から唐揚げを手渡されて、そのまま出した。彼は振り上げた拳をどう下ろしてよいのかわからず、バツが悪そう。で、食べているときにもずっと文句、文句、文句。あー、うるせぇ。

料理が運ばれるのが遅くて腹が立つのはわからなくもない。でも、メシを食うときくらいは心穏やかに楽しみたいものだ。初志貫徹で「特製チャーハン玉子のせ」が食べたいがためにわざわざここまで車を走らせて来たというのに、コイツのせいで味がよくわからなくなってしまった。「メシが不味くなる」とはまさにこのことである。店員さん。塩まいて!塩!