永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

20年の時を経て。

その編集者と知り合ったのは、20年近く前。たしか、ある情報番組でのこと。出版業界で働くライターの私や編集者たちが集められて、その年の食のトレンドについて話すという企画だった。そこで名刺交換をした。

その場には地元誌の編集者もいたが、彼女は東京ナイズされた雰囲気というか、オーラがあったので、いつか一緒に仕事ができたらと思っていた。とはいえ、営業に行ったこともないし、プランを出したこともない。毎年年賀状を出していたくらいである。

Facebookをやっていたときは、一応繋がっていた。コメントをやり取りすることはなかったが、編集者として活躍されていることはわかっていた。

ゆるーく繋がっていたからなのか、彼女はいろんなクライアントを紹介してくれた。それも、大手印刷会社だったり、大手メディアと取引しているIT企業だったり、やりがいがあってギャラもよい仕事ばかり。1回も一緒に仕事をしたことがないのに、本当にありがたいと感謝していた。

先週末、私のHP経由で彼女から「相談したい案件がある」と、メッセージが届いた。そして、今日、オンラインで概要を伺った。彼女からのオファーは、雑誌やWebをフィールドにしている私にとっては前人未到のチャレンジとなる。

若い頃であれば、とてもできないと思ったことも「大丈夫っす!」と大口を叩いていたが、この年になるとなぜか正直になってしまう。不安に思っていることを1つずつ、きちんと話をした。

すると、彼女は私の不安を軽くするべく、丁寧に説明をしてくださった。おかげで私なんぞでもやれるような気がして、オファーを受けることにした。金儲け云々よりも、一度も一緒に仕事をしていないにもかかわらず、お世話になっている彼女に恩返しがしたいと思った。

それにしても、知り合ってから20年の時を経て、初めて仕事をするなんてことがあるのだ。これこそ、まさにご縁。大切にしていかねば。

あ、そういえば、昨日は以前に仕事をしたことがあるテレビのディレクターからも連絡があった。「ナガヤさんが画面に映っているだけで面白いですから」とノタマッた、ヤツである(笑)。

ヤツともノリが合うというか、自然体でいられるというか、とにかく楽しく仕事ができたのを覚えている。今はチョイチョイとしか仕事をしていないが、前出の彼女のように、いつか一緒に仕事がしたいと思っていれば、叶う日が来るだろう。楽しみだ。