永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

河村たかし名古屋市長。

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少し前、同じフリーランスの大先輩と話をしたときのこと。大先輩は、新型コロナの助成金でホクホク顔だった。聞いてみると、テレワークに必要な機材、例えば、パソコンや空気清浄機などを買うと、7割を自治体が負担してくれるという。で、大先輩はiMacの最新モデルを買ったらしい。

……。何じゃそれ。聞いてねぇし。昨年、私もiMacやiPadを買ったし。すぐに税理士をしている高校時代の先輩に連絡を取った。

「テレワークに使うパソコンの7割を自治体が負担してくれるって聞いたんだけど……」と、私は興奮気味に尋ねた。すると、「あ、それ、名古屋市だけだでね」と、先輩。

もう1回言わせてもらう。何じゃそれ。私の住む自治体のHPを確認すると、たしかになーんにもない。これ、めちゃくちゃ不公平じゃねぇか。ちなみに税理士の先輩は私と同じ地元。ゆえに先輩のお客さんたちも地元周辺で商売をされている人ばかり。

「みんな怒っとるって。まぁ、名古屋市はカネ持っとるでね」と、先輩。

名古屋市といえば、河村たかし市長である。私は衆議院議員の頃に初めて取材した。スケジュールが合わず、わざわざ名古屋駅で途中下車してホームで話を聞いて、写真を撮った。秘書も同行しておらず、一人で来たことにも驚いた。

当時、河村たかし議員は、議員年金や議員宿舎など議員特権の廃止を訴えていた。その政策に興味があり、彼の著書を沢山読んだ。どれもほぼ同じ内容だったが(笑)、とても共感することができた。

12年前、名古屋市長選に出馬したときも私は名古屋市民ではないが応援した。対立候補と圧倒的な差をつけて当選したときもカメラマンとして現場に居合わせることができた。その後、何度も、それこそ数え切れないほど取材した。河村市長を応援していたこともあり、とても楽しい仕事だった。

河村市長への見方が変わったのは、6年ほど前。毎月8日を名古屋めしの日に制定できないかと仲間と要望書を提出したときのこと。

「名古屋めしの日が制定されたら、市や市民の意識がどのように変わると思いますか?」と聞いてみたところ、「マスコミが取材に来る」と、河村市長はまったくマトハズレな返答をしたのだ。

マスコミって……。私もマスコミの端くれである。名古屋めし人気にあやかりたいだけではないのかと私は思ってしまったのだ。小池百合子東京都知事と同様に、政策よりも政局が大好きで、オノレの一挙手一投足が注目されるのがたまらなく嬉しい。頓珍漢な返答をされたとき、そんな風にも映った。以来、急速に応援熱が冷めていった。いちばん許せないのは、

「名古屋駅のホームで食べるきしめんがいちばんうみゃぁ」とメディアで公言していることだ。名古屋駅のホームにある『住よし』を運営するジャパントラベルサーヴィスは東京に本社がある会社だし。

名古屋には、昔から常連客に愛されている麺類食堂が沢山ある。名古屋市長ならそれをPRするべきだ。名古屋市長でありながら、本当に美味しいきしめんを知らないのだ。残念というか、愛知県民としては恥ずかしい。

トドメを刺したのは、大村知事のリコール署名活動の顛末である。私は大村知事を支持しているわけではない。が、不正が行われたのは民主主義の根幹を揺るがすものだと思っている。

「私は中心人物ではない。被害者だ」と、河村市長は主張したが、誰が見てもそれは無理があるだろう。

昨日、河村たかし名古屋市長が市長選の出馬を表明した。これを是とするのか、否とするのかは市民が決めること。良識ある判断を下してほしいと願うばかりである。