永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

就活中の息子たちへ。

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わが家の息子たちは、長男が大学院2年生。次男が大学3年生。長男はオンラインで会社説明会に参加している。次男はこれから就職がはじまるようだ。私としては、会社の知名度とか、給料や休日、福利厚生などの待遇とかはどうでもよいと思っている。

なぜなら、公務員でもなければ給料は景気に左右されるし、会社そのものも未来永劫にわたって存在するとは思えないからだ。例えば、航空会社。コロナ前までは給料が高くて、安定しているイメージが合った。ところが、新型コロナの感染が拡大して大きな損失を出してしまったのは御存知の通り。

就職先を知名度や待遇で選ぶと、不測の事態が起こったときに「こんなはずではなかった」と後悔する。私の友人もバブルの末期に証券会社へ就職したことを悔やんでいた。

入社してすぐに湾岸戦争が始まり、株価は暴落。給料はどんどん下がり、ノルマはどんどん増えていった。そして、ほどなくして会社を辞めた。バブル以降、転職してステップアップすることは非常に困難になっているが、友人は父親が会社を経営していたので、救われた。今では2代目の社長として頑張っている。

後悔しないためには、自分の好きなことや興味のあることを仕事にすればよいのだ。何事も好きに勝るものはない。どんなに景気が悪くなっても、「好きなことだから」と耐えることができるし、乗り越えるエネルギーにもなる。

とはいえ、大学生で仕事にしたいほど好きなことがあるのは極めて少ない。わが家の次男がそういうタイプかもしれない。少し前に次男と就活について話す機会があり、私は一つだけアドバイスをした。

「自分の力を限定しないこと」

それに尽きる。有名大学卒しか門戸を開いていない企業は仕方がないが、勉強ができることと仕事ができることはまったく違う。だから、就職は誰にでもチャンスはあるのだ。

にもかかわらず、自分の力を限定してしまうと、それに相応しい会社にしか就職できなくなる。自分がその会社へ就職することでどんな利益をもたらすことができるのかを面接で正々堂々と語るのだ。

私は修業した編集プロダクションの面接で不採用になった。ところが、しばらくして求人誌を見ると、また社員を募集していた。そして、ダメ元でもう一度履歴書を送り、再び面接を受けた。課題として与えられた記事制作をクリアして採用された。本当に、人生は何が起こるかわからない。

編集プロダクションで修業していなければ、いや、ダメ元でもう一度履歴書を送らなければ間違いなく今の自分はない。カメラマンとして、ライターとして、これまでいろいろあったけど、それがいちばん大きなターニングポイントだったと思っている。

息子たちよ、どうか自分の力を限定せず、自分の生きる道を自分で切り拓いてくれ。頑張れ!