永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

ひとり飯のススメ。(14)

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昨日は、岐阜県中津川市へ出張。取材は昼からなので、昼食を摂ろうとネットで検索してみると、懐かしい名前が目に飛び込んできた。

中央道中津川ICからすぐのステーキハウス『プリンス松葉』。愛知県在住で、50代以上の方なら『松葉』という店名は聞いたことがあるだろう。店は一宮市や愛知県西部にあったと思う。ステーキハウスというよりは、ちょっと高級な店構えの喫茶店だった。

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私が20代の頃に行っていた『松葉』は、一宮市にあった。いや、行っていたというよりも、先輩に連れて行ってもらったというのが正しい。店の造りがやたらとゴージャスなので、大人になった気分に浸ることができたのだ。

しかし、時代の流れとともに『松葉』は街から消えた。きっと、ファミレスに対抗できなかったのだろう。

写真は、中津川市の『プリンス松葉』。ここもまたレンガ造りのお城のような店構え。愛知県内にあった『松葉』と同じ雰囲気なので、ここは数少ない生き残りなのだろう。

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入り口には大きなショーケースがあり、蝋細工のサンプルがズラリと並ぶ。どれもかなりキレイだったので、しっかりと手入れをしているのだろう。

メニューは熱々の鉄板でいただくステーキやハンバーグ、定食、丼ものと多種多彩。ドリンクメニューも豊富で、やはり喫茶店的な要素が強い。

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店内もレトロそのもの。『コメダ珈琲店』の椅子やインテリアは狙った、マーケティングに基づいたレトロだが、ここは時代が止まったかのような雰囲気。ステーキではなく、「ビフテキ」と呼んだほうが似合う。

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私が注文したのは、店名を冠した「プリンス定食」。ハンバーグと海老フライ、唐揚げ、ミートスパ、サラダ、ご飯、味噌汁、漬物に温かいお茶も付く。

どれも子供が好きそうな料理ばかり。これはまさに大人のお子様ランチなのである。ちなみに唐揚げが酢豚ならぬ酢鶏になる「松葉定食」というのもあったが、この方がよりお子様ランチっぽい。

さて、肝心な味だが、見たままの、ごくフツーの味。言っておくが、これはディスっているわけではない。いわば、最大の讃辞である。ハンバーグも海老フライもここより美味しい店はいくらでもある。

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しかし、私は美味しいものを食べたくてここに来たのではないのだ。懐かしい思い出の味を堪能したかったのだ。その観点からすると、ここの料理は最高なのである。とくにご飯に合うように味付けされたデミグラスソースがたっぷりとかかったハンバーグは懐かしさで一杯になった。

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食後に注文したアイスコーヒーは、『コメダ珈琲店』のたっぷりサイズと同じ。「ゆっくりしていってください」というおもてなしの心が垣間見える。

『プリンス松葉』、家の近くにあったら、ここでランチやお茶をしながら原稿を書きたい。すごく筆が進むと思う。それは無理にしても、これから10年先、20年先も存続してほしいと切に願う。

ご馳走様でした♪