永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

シゴトノカカク。

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昨年の今頃、新型コロナの感染拡大で仕事がどんどんなくなっていった。4月に入ると、ほとんどなくなった。それでも何かしていなければ精神的にヤラれてしまうと思い、自分のホームページを制作することにした。

www.nagaya-masaki.com

私自身のキャッチフレーズである「撮ル、書ク、喋ル。デ、世界ヲ明ルク。」を全面に出すこと。そしてコンテンツは「撮ル」と「書ク」、「喋ル」それぞれのポートフォリオで構成することは最初から決めていた。

しかし、ホームページを見た方が「ナガヤに仕事を依頼したい!」と思ったとき、掲載するのはポートフォリオだけでよいのかという疑問を抱いた。クライアントの立場になれば具体的な価格を表記した方がより依頼しやすいのではないかと思ったのだ。

とはいえ、同業者で価格をガラス張りにしているのは写真館くらいで、ライターや講師ではほとんど見かけなかった。「問い合わせが入ったら決めればよい」とも思い、迷いに迷い、考えに考えた上で価格を載せることにした。

青天井の予算が下りたバブル期と違い、クライアントにとっては価格も重要であるのは間違いない。それまで私は、まず、クライアントに予算を聞き出して、その範囲内でやらせてもらっていた。

その予算が本当なのかどうかは確認するスベがない。「それが……今回は予算が○万円しかないんです」と言われれば、「今後につながるかもしれない」と自分に言い聞かせてクライアントが提示した金額を信じるしかなかった。

そこで学んだのは、予算がないことを強調するクライアントが言う「今後」や「次回」は存在しないということ。昨日のブログにも書いたが、写真や文章のクオリティなんてどうでもよく、1円でも安く仕事を請けてくれる業者を探しているだけ。

ホームページに掲載したのは、私が思う最低価格であり、原則としてそれ以下では請けないと決めた。このように自分の気持が変わると、低予算を訴えるクライアントからのオファーがなくなった。ついでに言うと、テレビのボランティア出演のオファーもなくなった。

自分の仕事の価格を決めるのは自分である。20年以上もそんな当たり前のことができなかったのである。今思えば、本当に情けない話である。