永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

「ナガヤ流」を確立させたい。

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昨日は、豊田市美術館内にあるレストラン『味遊是(ル ミュゼ)』でメニュー撮影。ご存じの方も多いと思うが、ここは名古屋・新栄のフレンチ『壺中天』の姉妹店。オーナーの上井さんとは取材が縁となって、『味遊是』のオープン時も撮影のご依頼をいただいた。

以前に上井さんと食事へ行ったときに、同級生ということがわかった。お互いに同じ時代を生きてきたわけで、料理のことや飲食店のあり方、仕事に対する考え方などは共感できる部分が非常に多い。

上井さんがスゴイと思うのは、店における自身の役割を常に考えてらっしゃるところである。それは経営者なので当たり前とは思わない。上井さんは経営者以前に料理人なのだ。

今は「総監督」的な立場で若い料理人たちに自身が築き上げた技術や理念を伝えることに専念されている。上井さんの下で修業を積んだ料理人たちは、さらに独自のエッセンスをくわえて、さらに進化したひと皿を創り上げていくのだろう。こうして「食」という文化が発展していくのだ。考えただけでもワクワクする。

店での立ち位置は、年齢というかキャリアによって変わる。上井さんが30代や40代の頃は、我武者羅に自分の味を追求することを第一としていた時期もあったと思う。上井さんは歳を重ねるとともに料理人として、また、経営者としても着実に成長しているのだ。

上井さんや大先輩のコピーライター、森健さんのように、いつかは後進の指導をしてみたいとは思う。でも、私なんぞはいまだに自分にしか撮れない写真、自分にしか書けない文章を追い求めて、藻掻き苦しんでいる。「ナガヤ流」を確立させない限りはとてもムリだろう。

久しぶりに上井さんにお目にかかって、とても刺激を受けた。上井さん、ありがとうございました。新型コロナが落ち着いたら、またご飯を食べに行きましょう♪