永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

永谷正樹、である。

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名古屋めしというコトバが誕生してから、名古屋めしについて取材をして文章を書く人のことを「名古屋めしライター」と呼ぶようになった。

これまで私は、数多くの名古屋めしを取材した。自ら名古屋めしライターを名乗るようになった。

しかし、だんだんとその肩書き?に違和感を覚えるようになった。

なぜなら、きしめんを作っている人は名古屋めしを作っているとは思っていないから。それは味噌かつやひつまぶしも然り。

名古屋めしライターという肩書きでは、名古屋めしにカテゴライズされる料理としてしか語ることができない。いや、できるという人もいるだろうが、私にはできない。

それに、地元のために名古屋めしを盛り上げる義理やしがらみも私にはない。

何度も書くが、名古屋めしとカテゴライズするよりも、きしめんや味噌煮込みうどんは麺料理として、ひつまぶしはうなぎ料理としてきちんと評価した上で語りたい。

そりゃ名古屋めしで地元が盛り上がるのはよいことだと思う。しかし、名古屋を訪れてくださった方がコレクター的に名古屋めしを食べてもらうよりも、本当に美味しいきしめんや味噌かつなど名古屋めしと呼ばれるものだけではなく、名古屋の美味しいものを食べて、名古屋へ来てよかったと満足してもらいたい。

そのための情報を提供するのが私の役目だと思っている。だから、私は名古屋めしライターを名乗るのをやめた。

まぁ、そもそも私に肩書きなんぞ要らないし、興味もない。ライターとしてカテゴライズされるのも実は快く思っていない。写真も撮るし、講演も行うのだから。ライターやカメラマンを名乗るのは便宜上のことだ。

私はライターでもなければ、カメラマンでもない。永谷正樹、である。

 

※写真は『長命うどん』の「う中」。これは名古屋めしにカテゴライズされていないが、名古屋の食文化そのものだと私は思う。