永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

オムライスバーグ。

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以前にinstaだったかTwitterだったかのSNSで見かけて一目惚れした店へ行ってきた。それは、名古屋市北区の喫茶店『鷹羽』。

tabelog.com

店内に入ると、サラリーマンのグループとガテン系のおっちゃんが割子弁当的なランチを頬張っていた。それには目もくれず、あらかじめ決めていた「オムライスバーグ」を注文。

ベルクロ張りのソファでくつろいでいると、店内のBGMが気になった。70年代から80年代の歌謡曲が結構な音量で流れているのである。

ピンクレディー「サウスポー」が聞こえてきたときは、その振り付けまで思い浮かんでしまい、思わず笑ってしまった。その次は、1986 OMEGA TRIBE「君は1000%」。あまりの懐かしさに 涙が出そうになった。もう、料理を食わずとも、雰囲気とBGMだけでこの店が気に入った(笑)。

10分ほど経ったところで、注文した「オムライスバーグ」が目の前に運ばれた。トップの写真だとその内容とボリュームが伝わりにくいと思うので、アップの写真を載せよう。

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どう?スゴイでしょ(笑)。前からハンバーグ、オムライス、福神漬、サラダ、オレンジ。この、見た者すべてをワクワクさせる盛り付けは完璧。私はこのビジュアルに惹かれたのだ。

おそらく、ハンバーグは、業スーで売られているレトルトか冷凍。レンチンの時間が長すぎたのか、部分的にかたいところがあったが、喫茶メシにはそんなの関係ない。オムライスの具材は、ハムと玉ねぎ、ピーマンと、ごく普通だが、ボリュームがハンパない。茶碗2杯くらいはあると思う。

ハンバーグもオムライスも本格的な洋食店と比べれば、そりゃ劣る。でも、ハナっから味やクオリティを求めていない。店で働くマスターやママさん、その場に居合わせた客、店内の雰囲気、BGMなどなど、すべてトータルで考えたとき、『鷹羽』の「オムライスバーグ」は美味しいという結論に至るのである。わかるかなぁ。

料理の美味しさを決めるのは、食材や調理法だけではない。そのことが身に沁みた。願わくば、10年先も、いや、未来永劫にわたって店が存在し続けてほしい。