永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

インターン。

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1週間ほど前、中学校の同級生のW田君から電話があった。おそらく10年以上ぶりだと思う。あいにく私は電話中で、着信履歴があった。

W田君は、キャバクラの店長をしていて、取材でその店を訪れたときに偶然に再会した。中学のときはほとんど話をしたことはなかったが、それをきっかけにキャバクラ取材があると声を掛けたり、他の店を紹介してもらったりとすごくお世話になった。

月日が流れ、彼はキャバクラの世界から卒業して、おばんざいの店を開店させた。たしか自宅に案内状が届いたという記憶がある。

何の用事だろうと思って電話をすると、

「カメラマンになりたいという女の子がいてさ、オレ、カメラマンといえばナガヤ君しか知らないから連絡したんだ。撮影の現場とか連れて行ってもらえないかなーって思ってさ。今、隣りにいるから直接話して」とのこと。

話を聞いてみると、彼女の名前は、K文ちゃん。かつて私が通っていた&教えていた写真専門学校の1年生であり、将来は人物の写真を撮るカメラマンになりたいことがわかった。とはいえ、今月はあまり撮影の仕事は入っていない。現場を見せるのは少し先だと思っていた。

そんな中、あるメディアから覆面取材のオファーがあった。覆面取材とは、取材者であることを伏せて、客として店を訪れて食事をするというもの。K文ちゃんにはこの覆面取材に同行してもらうことにした。そこでこれまで撮影した作品を見せてもらうことにした。

で、今日がその日。作品はまぁ、いかにも学生らしいものだった。写真の技術もそうだが、もっとコミュニケーション能力を磨いていけば、一つの作品として評価されるだろう。コミュニケーション能力ってのは、こちらがいかにすべてを曝け出すかなんだけどね。

今日、実際に会ってみて、やる気というか、将来はカメラマンとして身を立てたいという熱量は伝わってきた。これから機会があれば、彼女をインターンとして現場を体験させてやろうと思う。

30代や40代の頃であれば、私自身が生きるのに精一杯だったので、いくら友人の頼みとはいえ断っていたと思う。しかし、今、こうして若いカメラマンの応援ができるのは、私自身が年を取り、心の余裕ができたということか。