永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

星が丘製麺所と名古屋めし。

久しぶりに『星が丘製麺所』へ行ってきた。

来月でオープンして丸1年。ここのきしめんを食べるたびに思うのは、「名古屋めし」であるはずなのに、それを感じさせないというか、「名古屋めし」という旧い言葉が似合わないということ。

グループとしての「名古屋めし」を通り越して、いきなりメジャーデビューしてしまった感があるのだ。それだけここのきしめんのポテンシャルは高いのである。

いや、本来はこうあるべきなのだ。そもそも、店の共同経営者である堀江さんも太門さんも「名古屋めし」として注目を集めるために店をオープンさせたわけではない。地元の人々や名古屋を訪れた人々にきしめんの本当の美味しさを伝えたいという一心ではじめたのだ。

同行した地元出身の編集担当は、きしめんを食べて

「こんなに美味しいと思ったきしめんは久しぶりです」と、大満足の様子だった。その証拠に、帰りに冷凍麺や冷凍つゆ、だしパックを沢山買い込んでいた。

地元贔屓、という言葉があるが、殊に食べ物となるとそうはいかない。贔屓どころか厳しくジャッジする。地元の人が旨いと唸る店が増えれば、「名古屋めし」のグループを組む必要もないし、何よりも名古屋の街はもっと面白くなる。