永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

人生には、飲食店がいる。

昨日、豊根村での取材中に電話が鳴った。着信履歴には見知らぬ番号。その場で出ることができず、取材の合間に折り返すと、先月に取材したシェフからだった。

「ナガヤさん、◯◯◯(媒体名)の取材のときに撮影した写真を使わせてもらえないかと思って」と、シェフ。

ある雑誌に載せるための写真が必要なのだが、撮影のために時間を空けるのが難しいというか面倒くさいらしい。しかし、その雑誌の発売時期は、私が取材した媒体と思いきり被るので丁重にお断りした。

よくよく聞いてみると、その雑誌は書店で売られておらず、定期購読を申し込んだ会員のみに届けられるという。シェフによると、

「なんかね、富裕層向けらしくて、ホテルのスイートルームとかにも置かれるって話なんだけど」とか。

それって、無償の取材ではなく、広告である。飲食店を取材すると、たまにそんな話を耳にする。少し前によく聞いたのが、

「掲載は無料だけど、〇〇(芸能人)が取材に来るからギャラを支払ってほしい」というもの。その芸能人はたしかに有名なんだけど、旬が過ぎたというか、最近テレビで見かけなくなったような芸能界では微妙な立ち位置の人。

発行部数はあくまでも公称であり、実際にはどれほど発行されているのかもわからない。スイートルームに置かれるというのも怪しい。

そもそも、シェフの店は広告なんか出さなくても、十分客は入っている。実際、私が取材で訪れたときは平日にもかかわらず、満席だった。ところが、

「テレビのニュースで新型コロナの感染拡大が採り上げられるようになって客足が減ったんですよ。だから広告を出してみようかと……」

ちなみに掲載料は20万円!私は、そのお金をもっと他のことに使った方がよいと進言させていただいた。

今、飲食店へ取材に行くと、どの店からも客足が遠のいたり、予約のキャンセルが相次いでいたりと新型コロナの影響が出ているという話を聞く。

高い掲載料を払って広告を出しただけの反響があれば別だが、そんな保証はどこにもない。もちろん、広告会社も生き残っていかねばならないのは理解できるものの、新型コロナの感染拡大に対する危機感につけ込むというのはいかがなものか。

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↑この動画は、サントリーのTVCM「人生には、飲食店がいる。『不思議な場所』」編。ビールをはじめチューハイやハイボールなどサントリーの商品は飲食店で消費されてナンボ。それが目的だろうが、

新型コロナで大きな打撃を受けた飲食店に寄り添い、その文化を護っていくというサントリーの姿勢が伝わってくる。

私も飲食店の皆様とは一蓮托生。飲食店を沢山取材することで盛り上げていきたい。飲食店の皆様、まだまだ厳しい状況は続きますが、お互いに頑張りましょうね。