永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

絶滅危グルメ。

今でこそ、熱々の鉄板に盛られたイタリアンスパゲッティ、通称“イタスパ”は、名古屋の喫茶店のみならず居酒屋などでも食べられる。名古屋名物としての地位を確固たるモノにしているが、ひと昔前は日陰の存在だった。

イタスパは、野菜や麺を炒めるながら鉄板を熱しなければならない。1つのメニューのためにガスコンロを2口も占有されてしまうのだ。とくにお昼時など忙しい時間帯にオーダーが入ると、効率が悪い。そのため、メニューから消えかかっていたのである。

ところが、東京でナポリタンのブームが起こると、イタスパは一気に息を吹き返した。マスターもママさんもあれだけクソ面倒くさがっていたのに。今まで出来が悪いと思っていた息子がジャニーズのオーディションに合格した的な。まぁ、売れるのならそれでいいんだけどね。

でも、ピラフやインディアンスパの立場は(笑)?ただの一度もブームが来たこともなければ、この先来ることもないだろう。今、まさに消滅しかかっている「絶滅危グルメ」ではないのか。

「絶滅危グルメ」は何も喫茶店に限らない。例えば、中華料理屋のカレー炒飯も然り。大阪では「ソース炒飯」も絶滅の危機と聞いたことがある。

あっ、うどん屋にもあるな。うどんに海苔と玉子をのせた「松月」はほぼ絶滅してしまったし、木の葉丼は……注文する人はいるのかな。

フードライターとしては、そんな「絶滅危グルメ」の保護活動をしなければならないと思っている。全国を食べ歩き、絶滅危機の度合いを星の数で表すのだ。そして、ルーツを探るとともにレポートするという企画を雑誌でやってみたい。

ナガヤ、いつでも動きますよ!