永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

エビフライ。

あま市での撮影を終わったのが正午頃。取材先に挨拶をして、急いで車を走らせた。目的地はずっと前にBMしていた店。少し前に店の前を通りかかったら、広い駐車場がほぼ満車だったのだ。タイミングを逃すと入れなくなってしまう。

その店は『喫茶 ボン』。この名前が昭和っぽくてよい。ちなみに「ボン」はフランス語で「よい」。大阪弁の「ぼん」は「坊っちゃん(息子さん)」という意味だ。どうでもいいけど。

tabelog.com

↑食べログを見るとわかるように、ここはイタスパや焼きそばが有名。しかも大盛りの。実際、ほとんどの客が注文していた。厨房からはずっと何かを炒めている音が聞こえていた。

でも、私が気になったのはエビフライ定食。食べログに載っている写真を見て、一目惚れした。冷食を使っている店が多い中、ここのエビフライは手作りっぽい。何よりもその大きさに心を奪われた。名古屋人は大きなエビフライが大好きなのである。

エビフライ定食を注文後、しばし店内をチェック。見上げると天井にはシャンデリア。これも昭和っぽい。赤いビニール張りの椅子もイイ。驚いたのは、店内の中央部分。

おそらく、これは池があったのではないか。鯉なんかが泳いでいて、それを眺めながらティータイムを楽しむ、みたいな。時代を感じるねぇ。

10分ほどでエビフライ定食が運ばれた。写真からあまり伝わってこないかもしれないが、とにかくデカい。確実に10センチ以上はある。小さな丼くらいの茶碗に入ったご飯も他店の大盛りくらい。小鉢と味噌汁、漬物も付く。

特筆すべきは、エビフライにかかっているソース。マヨネーズも添えられている。でも、これは千切りキャベツとキュウリ、トマトにつけて食べると解釈した。他の店でエビフライを注文すると、タルタルソースがついてくるが、ここはソース。卓上にもソースと塩しか置いていない。

でも、よく考えてみると、私の子供の頃はタルタルソースなんてなかった。いや、ソースそのものはあったのかもしれないけど、少なくともわが家にはなかった。だからソースで食べていた。しかも、ビチャビチャにして。それが旨いんだよなぁ。

童心に帰ったような気持ちで卓上のソースを手にとって追いソースをしてエビフライにかぶりつく。うん、かたくはなく、しっとりとしている。喫茶店のエビフライとは思えないほど完成度が高い。

もうエビフライだけでお腹が一杯になりそうだったが、何とかご飯も小鉢も味噌汁もすべて平らげた。いやー、この満足感はハンパない。

近くに来たらまた寄ろうと心に決めて店を後にした。ご馳走様でした♪