永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

一日でも長く。

先日、関西大学の講義の中の質疑応答で編集者の亀松太郎さんに

「今後の、ナガヤさんの目標は?」と尋ねられた。

講義が始まった4年前には

「ナゴヤのナガヤをメディア業界に知らしめる!」と即答していたと思う。

しかし、今回は返答に困ってしまった。

もちろん、今よりももっと自分の名前を売りたいという気持ちはあるけど、以前のようにガツガツしていないことに気が付いて、自分自身が驚いている。

なぜだろう。これが年をとったということなのか。亀松さんへの返答は、

「一日でも長くメディアの現場に居たい」と答えた。これもまた偽らざる私の気持ちである。

長い間、この仕事をしてきて、写真にしても、文章にしても、自分の実力みたいなものは私自身がいちばん良くわかっている。私よりも年下でも敵わないと思う人も沢山いる。

でも、今こうして曲がりなりにも仕事をさせていただいているということは、誰かが私のことを必要としてくださっていると勝手ながら受け止めている。ひいては自分にしかできないことがあるとも。私自身、それを糧にして仕事をしている部分が大きい。

逆に、誰にも必要とされなくなったときが、引退ということになる。

だから、一日でも長く現場に居たい。