永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

疑ってかかれ。

取材の基本姿勢は、まず「疑ってかかる」ことだと思っている。

「ジャーナリストじゃあるまいし何を大げさな」とおっしゃる方もいるだろう。その通り、私はジャーナリストではない。しかし、メディアの片隅で仕事をさせていただいている以上、自分の書いた記事や撮った写真には責任が伴うのである。

例えが不適切かもしれないけど、あえて書く。新たにオープンした飲食店が実は反社の隠れ蓑だったら、こぞって取材したメディアはそれを知らなかったとしても、反社の片棒を担ぐことになるのではないか。

だから、昨日のブログにも書いたように、リリース(情報)を鵜呑みにしてはならないのだ。と書くと、何とかメディアで採り上げてほしいと一生懸命プレスリリースを作成してらっしゃる広報担当者やPR会社の方は気を悪くされるかもしれないなー。

「疑ってかかる」と世の中に流されなくなる。少し前のブログで書いた自民党総裁選は、まさに記事の通りになった。お盆明けからニュースは自民党総裁選一色になるというものだ。

しかも、何を根拠にして報道しているのかまったくわからないけど、小泉進次郎が優勢とか。いや、あの進次郎だぜ、おい(怒)。日本はアメリカのように国民が国のトップを決めるわけではないものの、投票権がある自民党員がその報道を鵜呑みにしたら……。

自民党総裁選に限らず、選挙において日本人は、若くて、シュッとしたルックスの候補者に弱い。「何となくきちんとやってくれそうだから」という理由で投票してしまう。景気がよいときならまだしも、先進国30ヶ国中貧困率が4番目に高い状態で「何となく」とか「やってくれそう」などと言っている余裕はない。

人間の体に例えたら、瀕死の重傷なのに痛み止めの薬しか与えてない、みたいな。今すぐにでも大手術、つまり消費税を廃止するなど国民に寄り添った政策を断行するリーダーを選ぶべきなのだ。でも、テレビや新聞は……嗚呼……。

トップ画像の大阪万博も然り。開催日が近づいたら、メディアはこぞって万博を特集するだろう。何しろ、メディアへ広告を出しているスポンサー企業が万博の協賛企業になっているのだから。

断っておくが、前出の消費税廃止は、私がメディアからの情報を「疑って」かかり、自分なりに調べたりして出した結論であり、それは人によって違うと思う。っていうか、違っていてもよいし、違っているのが当たり前なのだ。

だから、何が正しいのかは、政治家やメディア、世論が決めるのではなく、自分自身が判断するものなのだ。だからこそ、「疑ってかかる」のである。