永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

社会不適合者のセーフティーネット。

勉強ができる者は頭を使う仕事に就けばよいし、運動が得意な者は体を動かす仕事をやればよい。では、勉強も運動もダメな者は何を為すべきか。

まさに私のことなんだけどね。勉強も運動も好きではなく、さらに団体行動も苦手。言ってみれば、社会不適合者なわけです。

そんな私が出版の世界で何とかやってこれたのは、出版業界が社会不適合者をも受け入れる大きな器というか、度量があったからだと思っている。いわば社会不適合者のセーフティーネットとしての役割を果たしていたのだ。

実際、雑誌のライターやカメラマンに学歴は要らないし、男性でも女性でも、また、どちらでなくても、たとえ前科があったとしても、面白いネタを引っ張ってくることができれば通用するのである。

週刊誌のトップページを飾るようなニュースを探り、記事にして雑誌社に売り込むことを生業にしている者を「トップ屋」と呼んでいた。卑しい仕事であることは間違いないわけで、当然、社会的地位も低い。

今の言葉で言えば、「マスゴミ」だろう。ゴミのような存在であることはマスコミで働いている者はわかっている。私も。だから何?って話なのだ。

ところが、Xで見かける自称ライターさんはやたらと意識が高い。彼らのポストを見ると、だいたい↓こんな感じ。

 

【今日やること】

・記事執筆(2本)
・note公開
・企業案件応募
・勉強(SEO、調査ツール)

 

いやー、スゲエ。そもそも【今日やること】って何よ(笑)。そこまで自己管理ができているのなら、ライターなんてやらなくてもいいのにと社会不適合者は思うわけです。

それと、謎なのは、ライターとして書いた記事をXで公開していないこと。意識高い系ライターさんたちは皆、せっせと「ポートフォリオ」なるものを作っているけど、そこでも公開しておらず、得意分野が書かれているだけ。いや、これで仕事に繋がるのか?と思ってしまう。

社会不適合者は、せっかく苦労して書いた記事を多くの人に読んでほしくて
「ねぇ、見て!見てっ!ほら、ここにオレが書いた記事が載ってるよ!」と、大騒ぎするんだけど。

あと、よくわからないのは、ライターを名乗っているのに、実際にやっていることはライター志望の素人さん相手のセミナーだったり。ライターじゃなくて講師業じゃねぇかっての。

社会不適合者のセーフティーネットに「勉強ができる者」が参入してくるからおかしなことになっているのだろう。まったく、どうしたものか。