永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

渾身の一枚を撮るために。

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現場での仕事が終わり、仕事場で撮影した写真を確認する。そして、ライティングやアングルを再考する。はたしてこれでよかったのか。もっと他にできることはなかったのかを考える。

また、何日か後に撮影の仕事があるとき、照明の種類や位置、角度などを事細かに頭の中でシミュレーションする。場合によっては、仕事場で照明機材を組み、実際に撮影してみることもある。

結果的にいつも写真のことを考えている。それがたまらなく楽しい。ただ、それは、あくまでもテクニックの部分であり、プロとして報酬をいただく以上はできて当たり前の話。

そんなイメージトレーニングよりもよく考えているのは、写真家として残すべき作品のこと。これはテクニック以上に、オノレの考えだったり、思いだったり、喜びだったり、悲しみだったり、生きざまだったり、メンタル的な部分も含めて、私という存在そのものが凝縮された形で現れてくる。

写真がつまらないのは、つまらない人生を送っているからにほかならない。つまらない人生というのは、オノレの頭で考えるべきことやオノレ自身が向き合わねばならないことを放棄してしまうことだ。せっかく人として成長するチャンスをオノレ自身が潰していることになる。

今日一日、どれだけ心が揺さぶられたか。喜びや楽しさ、感動ばかりの一日であればそれに越したことはない。しかし、生きていれば悲しいことだって、苦しいことだってある。そんなときは自分の気持ちを押し殺さずに思いっきり泣けばよい。思いっきり叫べばよい。

ってことに、最近気がついた。以前にも書いたが、人は年をとるにつれて、常に冷静沈着であることが美徳とされ、感情を露わにすることを恥とされる。私もそう思っていた。でも、もう、そんな「枠」にはまった生き方はやめる。

仮に悩みや問題を抱えていたとして、思いっきり笑ったところで、思いっきり泣いたところで、解決するのかと聞かれれば、それはわからない。でも、運命は変わる。だから、写真も変わる。そう信じている。

限定メニューは本当に旨いのか。

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これも年をとった証拠なのだろうか。お菓子やファストフードの季節限定メニューを食べなくなった。と、いうか、興味をソソられなくなったのだ。

例えば、ポテトチップス。今やさまざまな味が発売されているが、もっぱら買うのは昔からあるコンソメと塩。牛丼チェーンもひと昔前と違って季節メニューを用意するようになった。でも、注文しない。フードライターとしてはいかがなものかと思うが、どうしても、味の安定を求めてしまう。

先日、東京から来た編集さんとライターさんを『スガキヤ』へ案内する機会があった。地元の人からすれば、「なんでわざわざ『スガキヤ』に!?」とツッコミたくなるだろう。うん、その気持ちもわかる。

名古屋に来たら、名古屋めしという図式はもう古くなっているのである。名古屋めしの知名度が全国区になって早いもので15年が経つ。仕事で名古屋へ来ることが多い人なら、すでに名古屋めしを食べているのである。

にもかかわらず、愛知県も名古屋市も未だに名古屋めしを観光資源としてガンガン推している。しかも、『スガキヤ』は名古屋めしではないという。彼らが本当にやるべきことは、「味噌かつは食べたことがあるから」という県外の人たちをいかにリピーターにするかを考えることだ。

話が逸れた。私が彼らを『スガキヤ』へ連れて行ったのは、2人とも『スガキヤ』へ行ったことがないと聞いたからにほかならない。「ひつまぶし」や「味噌かつ」、「味噌煮込みうどん」は、いつの間にか名古屋人にとって「よそいき」の料理になってしまった。しかし、『スガキヤ』や『長命うどん』などローカルな名古屋めしチェーンは観光資源とやらになっておらず、今でも名古屋の庶民に愛されているのだ。

『スガキヤ』で編集さんは私に勧められるがままに「特製ラーメン」を注文した。

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『スガキヤ』をご存じない読者様もいらっしゃるかもしれないので、写真も載せておく。「特製」というだけに、チャーシュー5枚と半熟玉子、メンマ、ネギがのる。

ちなみにデフォルトの「ラーメン」は、チャーシュー1枚とメンマ、ネギ。「特製」がいかにゴージャスなのかがわかるだろう。しかも、値段は450円と激安。

一方、ライターさんと私は期間限定の「豚骨醤油ラーメン」をオーダー。普段、食べるのは定番ばかりなので、たまには冒険しようと思ったからだ。値段は「特製」と同じ450円。

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これが「豚骨醤油ラーメン」(写真は大盛)。このスープの色!ビジュアルもスガキヤラーメンとはまったく違う。豚バラのロングチャーシューも特徴だ。

まずは、ラーメンフォークでスープをひと口。むむっ、味が濃い!とくに魚介の風味が強い。あっさりとした和風とんこつのスガキヤラーメンとは対照的だ。

『スガキヤ』のHPによると、

「豚骨醤油ラーメン」は伝統の和風豚骨に焦がし醤油のかえしを組み合わせたスープと、丼からはみ出すほどの特製豚バラロングチャーシューが特徴です。

と、ある。

これは、デフォルトのラーメンのスープと焦がし醤油のかえしを合わせているということだろうか。だとしたら、味が濃くなるのは当たり前だ。

正直に言うと、私には合わなかった。「特製ラーメン」を美味しそうに食べる編集さんが羨ましかった(笑)。

この日は暑かったこともあり、食後に『スガキヤ』定番の「クリームぜんざい」を注文した。ここでも私とライターさんは、期間限定の「抹茶クリームぜんざい」をセレクトした。

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抹茶と巨椋というテッパンの組み合わせゆえに旨いことは旨い。しかし、デフォルトの「クリームぜんざい」に昔から慣れ親しんでいるせいか、イマイチに感じてしまうのだ。とくに、食べ終わる頃の、溶けたソフトクリームとぜんざいが混ざり合った部分は絶対にデフォルトの方が旨い。

どこもかしこも期間限定メニューや季節限定メニューを出すのは、儲かるからにほかならない。それを否定するつもりもない。しかし、それらは流れていくもの。長いこと人々に愛されている定番メニューには敵わないのである。 

スマホカメラ撮影セミナー。

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8月21日(水)14:00~16:00、愛知県安城市にある安城市中心市街地拠点施設『アンフォーレ』3階の講座室にて、スマホカメラの撮影セミナーを開催します。

セミナーの詳細は以下の通り。

 

とき  2019年8月21日(水)14:00~16:00

ところ 安城市中心市街地拠点施設「アンフォーレ」3F 講座室

    〒446-0032 愛知県安城市御幸本町12-1

対象  コストをかけずに映える写真を撮りたい方店舗、

    商品の売上アップを図りたい方

持ち物 スマートフォン、撮影に使用する商品・製品

※受講者が決まり次第、指定したアプリの事前インストールのお願いをご連絡します

受講料 無料

定員  20名

※申し込み多数の場合は安城市内事業者を優先

※定員に達し、ご参加いただけない場合のみ連絡します

 

飲食業や物販など事業者が参加対象となります。

興味のある方は是非ご参加ください。

↓お申し込みはコチラから

abc-anjo.jp

 

以上、告知終わり。

講演会やセミナーは、もう何年か前からやっています。雑誌やネットと違って、ダイレクトに反応が返ってくるから、とても緊張します。しかし、文字にはできない「行間」の部分まで伝えられるような気がするので同時にすごくやり甲斐も感じます。

私の中では、写真を撮るのも、文章を書くのも、講演会やセミナーで喋るのも仕事においては同列だと思っています。だから、私自身のキャッチフレーズを

 

撮ル、書ク、喋ル。デ、世界ヲ明ルク。

 

としているのです。

拙ブログの読者の皆様、スマホカメラ撮影セミナー以外にも、「メディアにウケる」プレスリリースの書き方や「売れる」商品のキャッチコピーの作成など、さまざまなテーマの講演会やセミナーのオファーをお待ちしております。

中でもオススメは、名門・関西大学の学生をザワつかせた(笑)、私の仕事論「永谷正樹という仕事。」です!

2014年には、第一学院高等学校名古屋キャンパスにて、「夢授業(しごと講話」を担当させていただきました。

www.daiichigakuin.ed.jp

www.ace-kakehashi.org

未来ある高校生や大学生に話をするのは、私自身、とても刺激になります。愛知県内に限らず、オファーがあれば、日本全国どこでも行く所存です。

お気軽にお問い合わせください。 

チャーラーの旅。20

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久しぶりに、チャーラーの旅。近所にある大陸系以外の中華屋は、ほとんど行き尽くした。とはいえ、月末から月初めにかけて原稿の〆切が集中しているので、遠出もできない。どうしようかと考えていたら、何となく、『餃子の王将』の「炒飯」が食べたくなった。

www.ohsho.co.jp

取りたてて旨いというわけでもないし、だからといってマズいわけでもない。とくにこれといった特徴のない『餃子の王将』の炒飯。無性に食べたいわけではなく、何となく食べたい。そんなこと、ありませんか(笑)。

『餃子の王将』に初めて行ったのは、写真専門学校に通っていた頃。今でも栄・住吉にある栄店だ。当時、「餃子」が一人前150円で「炒飯」が350円くらいだったと思う。ワンコインで食べることができたのである。

当時はラーメンが本当にマズかった。インスタントラーメンの方がよっぽど旨かったので、注文することはなかった。が、『餃子の王将』のメニューが全体的に美味しくなったと聞いて、食べてみたところ。かなりレベルは上がったと思った。だから、チャーラーの旅。でも使える!と思ったのだ。

今回向かったのは、自宅から車で15分ほどの場所にある愛知岩倉店。注文したのは、「あっさりラーメン」と「ミニ炒飯」のセット「コンビセット」(741円・税別)。今回は「炒飯」目的に行ったので、+130円(税別)で「ミニ炒飯」を「並炒飯」に変更することに。

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これが「あっさりラーメン」。あっさりというわりには背脂が浮いている(笑)。まぁ、『餃子の王将』の他のラーメンに比べれば、かなりあっさりしている方だが。具材はチャーシューとメンマ、ネギ。やはり、あっさり系のラーメンは町中華に限るね。

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これがおなじみの「炒飯」。今回はこれを食うために来たのである。うん、普通(笑)。旨くもなければ、マズくもない。でも、たまに食いたくなる。これぞ、『餃子の王将』クオリティ(笑)。

「餃子」と一緒に食べることを想定しているのか、味がやや薄め。ゆえに、「あっさりラーメン」と交互に食べるとそこそこ旨い。このサプライズも『餃子の王将』クオリティ(笑)。

まぁ、こんなチャーラーの旅。もたまにはいいよね。

生きた証。

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ここのところ、ブログのアクセス数が伸びている。平均すると1日300名くらい。Facebookから訪れるのはバラツキがあるものの、1日約60~70名。残り230~240名の方は何をきっかけにブログへ訪れてくださったのだろうか。とても興味深い。300名もの方が毎日読んでくださると思うと、毎日書き続ける大きな力になっている。

あらためて、お礼を言いたい。ありがとうございます!!

300名の中には女房もいる。黙っているけど(笑)。この前、感想を求めたら、

「なんか……死ぬんじゃないかって……」とのこと。おいおい、勝手に殺すな(笑)。

たしかに、普段女房に言わないようなことを書き綴っているから、「遺書」のように思えたのかもしれない。実際、私が死んだら、このブログが私の生きた証となる。たぶん、息子たちは読んでいないので、このブログを通して、親父が考えていたことや、悩んでいたことを知ってほしい。もしも、オノレの人生に役立つことがあれば親父としてもこんなに嬉しいことはない。

40歳半ばくらいまでは、いつ死んでもいいと思っていた。過去を振り返ることもなかったし、後悔しない生き方をしていると思い込んでいた。

しかし、50歳に近づくにつれて、このまま老いていってもよいのかと思うようになった。カメラマンに、ライターになったものの、明日、私が死んだとしても誰も困らない。メディア業界は1ミリも揺るがない。

それに、私が東京の編集部から仕事をいただいているのは、「名古屋にいるから」という地理的な理由も大きい。では、仮に私が東京にいたら、今のように仕事をいただけるだろうか?そう考えると、自信を持って答えることができない。

せっかくカメラマンに、せっかくライターになったのだから、“その他大勢”のカメラマンやライターにはなりたくない。自分にしかできない仕事がしたい。仕事にまったく関係のない作品も撮りたいし、書きたい。だから、今のままでは死ぬに死ねない。どんなにカッコ悪くても抗いたい。足掻き続けたい。 

カメラマンとして、ライターとして、思いきり、本気で生きた証を残したい。 

テレビ出演のお知らせ。

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本日、15時49分~、CBC『チャント!』水曜日のコーナー「教えマスター」にて、私、永谷が“名古屋めしマスター”として出演します。内容は、名古屋めし初心者の横澤夏子さんを、この季節に食べたい名古屋めしの名店にナビゲートするというもの。昨日、担当ディレクターから連絡があり、コーナーのO.A.は17時台とのこと。東海地方にお住まいの皆様、是非ご覧ください。

『チャント!』に出演するのは、2回目。前回もそうだったが、一度もセリフを噛んだりしてNGを出すことはなかった。すべて一発OK!スゴイと思わん(笑)?

っていうか、ロケ当日は台本もなかった(笑)。あったかもしれないけど見てない(笑)。「永谷の好きなようにやれ」と解釈した私は(笑)、本当に好きなようにやらせていただいた。思ったまま喋り、横澤さんのコメントやリアクションに爆笑した。「素」でやっているので、NGなんて出るわけがない(笑)。

さんざん笑ったので、ロケ終了時に横澤さんから「何をやっても笑ってくれるから、これからナガヤさんと現場をまわりたい」ともおっしゃっていただいた(笑)。

これまで、テレビを見た人から「テレビでよくあんな風に喋れますね」と言われる。実際、あまり緊張することはない。その理由の一つとして、『チャント!』の場合、番組で紹介するのは、必ず私が取材に行ったことのある店をセレクトしているという点だ。

店主と実際に会っているし、話も聞いている。しかも、記事も書いているから、ポイントとなるコメントがぱっと思いつくのである。しかし、今回、あるラーメン店だけは行ったことがなかった。そのままロケに行くのが不安だったので、事前にディレクターと一緒に店を訪ねて取材をさせていただいた。おかげで一点の曇りもなく、スラスラとコメントすることができた。

もう一つ、理由がある。現場におけるディレクターをはじめとするスタッフの空気づくりというのか、とにかく雰囲気がよいのである。ちなみに以前、ブログにも書いた、私がセリフを噛んでしまい某タレントに「チッ!」と舌打ちされたロケは、正直言って最悪だった。ロケバスでの移動中は、まるで水を打ったような静けさ。某タレントに気を遣いまくっているのが素人の私でさえわかった。

私の本業である雑誌やネットメディアの仕事は私一人ですべて行う、いわば個人プレー。それはそれで楽しいし、充実感も味わえるのだが、テレビの仕事は演者とディレクター、カメラ、音声、ADと多くの人が携わるチームプレー。

本来、裏方であるはずのカメラマン、ライターが演者としてテレビに出るのはいかがなものかとも思う。第一、飲食店と違ってテレビに出たところで私の仕事が増えるわけでもない。でも、私はオファーがある限り、テレビは出続けるつもりだ。チームプレーの楽しさと充実感を味わうために。 

肩書き。2

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社会的信用がある職業は、漫画『ナニワ金融道』や『ミナミの帝王』を読めばわかる通り(笑)、公務員だろう。何せ、一般企業と違って、倒産することはないのだ。だから、金貸しも安心して貸せるというわけだ。

スゴイと思うのは、公務員の場合、元財務官僚とか元経産官僚とか仕事を辞めた後も肩書きとして十分「使える」ということ。まぁ、これはメディアがコメンテイターとして使う際、彼らの発言に説得力を持たせんがために付けた肩書きではあるが。

ところが、中には元○○という肩書きを自ら名乗る者もいる。写真専門学校を出てから就職した広告制作会社に元大企業を定年退職した人が「部長」として入社した。何でも、社長の古くからの知り合いらしく、これまで仕事を紹介してもらったこともあるらしい。社長としては彼のネットワークを利用できると思ったのだろう。

ところが、社会のイロハも知らなかった私から見ても、とても仕事ができるようには思えなかった。広告のコの字も知らないのに、知ったかぶりをするし、常に上から目線で話す部長は私たち若手社員にとっては邪魔な存在でしかなかった。何よりも電話で「元○○の○○(名前)です」と話すのが私たちは気に入らなかった。

元○○という肩書きを自ら名乗る者には注意した方がよい。それは現在の自分に対する自信のなさの表れである。自信がないから過去の肩書きにすがるしかないのだ。

私の周りにはそんなヤツはいないが、例えば、元新聞記者を名乗るライターや元新聞社カメラマンを名乗るカメラマン。たしかに取材力や文章力、撮影テクニックがすぐれているイメージを抱いてしまう。しかし、そんなものは実際に書かせてみないと、撮らせてみなければわからないんだから。まぁ、その肩書きを鵜呑みにして仕事をさせる側もいかがなものかと思うが。

私には人様に誇れるような肩書きなんてないし、欲しいとも思わない。肩書きが仕事をするのではなく、私が仕事をするのだから。