永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

恩人。

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今日は告知なし。まぁ、こんな日もある。

昨日は、UFJニコスカードの会員情報誌『PARTNER』の取材・撮影で某店へ。編集担当の山本由樹さんがわざわざ東京から取材の立ち合いに来てくださった。

ja.wikipedia.org

山本さんは、元光文社の編集者で、私の恩人の一人。早いもので、20年以上の付き合いになる。20年ほど前に、今はなき『週刊宝石』の仕事をしていたときに、編集担当に紹介していただいたのが、当時『女性自身』のデスクだった山本さんだった。

奥様が名古屋出身ということで、山本さんは名古屋が大好きで、すぐに意気投合して何度か仕事をさせていただいた。当時、名古屋は2005年に万博を控えていて、全国から注目を集めていたこともあり、『女性自身』では、ほぼ毎週、名古屋ネタを取り上げていた。

私一人で動くこともあれば、東京から記者が来ることもあった。今は名古屋出張は日帰りが当たり前だが、当時はほとんどが泊まりだった。きんさん・ぎんさんが亡くなったときは、三泊くらいしていたと思う。

私はニュース班のカメラマンとして記者とともに現場に入った。驚いたのは、グラビア班からも記者とカメラマンが来たこと。写真も記事も使い回せばよいのだから、今だったら絶対にあり得ないと思う。

昼間から夕方にかけて取材・撮影をして、それが終わると毎晩ドンチャン騒ぎ(笑)。1杯1500円くらいの、たしか、日本酒「久保田」の「萬寿」だったと思う。それを浴びるほど飲んだ。機材があったので、仕事は車で移動していたが、車を繁華街の駐車場に止めて、タクシーで帰宅し、翌日は駐車場までタクシーで行く、なんてこともあった。本当に今考えるとメチャクチャなことをしていた。

山本さんは、2001年に『女性自身』から『週刊宝石』の後継誌として創刊された『週刊DIAS』へ異動となった。そこでも仕事をいただいた。いちばん印象に残っているのは、12ページを使ってトヨタ自動車を特集したこと。

フツーにトヨタ自動車を紹介するのではなく、「トヨタ自動車の大躍進を支えているは、名古屋人気質である」という大胆な仮説を立てて、一つ一つ立証する、というもの。ページのデザインも変わっていて、も上半分がトヨタ、下半分は名古屋ネタという構成だった。

もちろん、下半分の取材と撮影、原稿は私が担当した。さすがに私は専門的な知識がないのでトヨタの取材はできなかったものの、撮影はすべて任された。12ページの仕事を終えるのに、ほぼ1ヶ月かかった。山本さんの部下で、当時の編集担当から、

「ナガヤさん、この1ヶ月間、他の仕事をいれられなかったでしょ?そこらへんもきちんと考えますから」と言われた。そのときのギャラが最高額で、いまだにそれを超える額をもらったことはない。

しかし、『週刊DIAS』は1年ももたずに休刊となり、山本さんは新たに創刊された『STORY』の副編集長となった。そこでも「ランチクルーズ」というグルメの連載ページの仕事をいただいた。

媒体が『STORY』ゆえに、誌面で取り上げるのもアッパークラスの店が多く、この取材で名店と呼ばれる店のシェフと知り合うことができた。「ランチクルーズ」は、リニューアルされ、「どうしても、このひと皿に会いたくて」というタイトルに変わって、現在も連載している。

山本さんはその後、『STORY』、『美ST』の編集長を務めた。その頃は、コメンテイターとして日テレ『スッキリ!』に出演したり、私にとっては雲の上の人になっていた。そして、50歳で光文社を退職し、幻冬舎『DRESS』の編集長となった。月日は流れ、昨年あたりから山本さんが手掛けている媒体で名古屋エリアの取材や撮影があるときに声をかけていただくようになった。

山本さんの求めるレベルは相当高いので、いつもプレッシャーを感じながら仕事をしている。冗談交じりに「安心のナガヤクオリティー」などと褒めてくださるのが私は嬉しくてたまらない。長いこと時間がかかったが、やっと山本さんのブレーンになれたような気がする。

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昨日は、取材が終わってから、山本さんのリクエストで、ナガヤ史上三本の指に入る美味しい焼肉を食べに行った。今、山本さんは相当忙しいようで、私が撮影している横で何度もスマホでメールのやりとりをしていた。それを労うにはぴったりの店だった。

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私も10月はほとんど休みをとっていなかったので、美味しい肉に癒された。山本さん、ご馳走様でした!また、名古屋で一緒に仕事ができるのを楽しみにしています!

8Kうまいもの写真展。

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例によって、告知から。

『PRESIDENT Online』にて、ブラザー工業・小池利和会長の撮影を担当させていただきました。

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えっ!ナニナニ?ナガヤらしくないって?うっさいわ(笑)!たしかに私はグルメ取材のイメージが強いかもしれない。でも、全体の2割くらいは人物を撮影しているのである。「メイク&フォト」もその延長線上にある。

『PRESIDENT』との縁は、以前に何度か一緒に仕事をした某歴史雑誌の編集者から。彼はプレジデント社へ転職してからも年に何回かオファーをいただいている。本当にありがたいことである。

それにしても、20代の頃は風俗カメラマン、として女性のハダカばかり撮ってきた私が『PRESIDENT』って(笑)。あの頃は思いも寄らなかったなぁ。私が働いていた編プロは、風俗取材が嫌でたまらずに辞めていく人が多かったらしい。でも、私は楽しかった(笑)。

いや、イヤラシイ意味ではないですよ。あ、少しはそれもあるな(笑)。25年以上前の風俗の世界は、まだどこか危険な雰囲気があって、そこで働く女の子たちもオモテの世界からウラの世界への一線を超えたという意識はあったと思う。

今も昔も、風俗で働くのはお金が欲しいからである。しかし、何のためにお金が必要なのかは今と昔ではかなり違う。昔は風俗店の扉を叩くのは、惚れた男のためというのが大半だった。

スナックでアルバイトをしている女の子が先輩ホステスに連れていかれたホストクラブにズブズブにハマるというのが入り口。スナックの稼ぎだけではとても足りず、ツケで飲むようになる。

そのツケを請求されたとき、フツーに働いていてはとても返せない額になっていて、風俗で働く決心をする。もちろん、仕事そのものは嫌でたまらないが、その頃には完全にホストにボケているので、「大好きな彼をナンバーワンにする」という一心で仕事に取り組む。

風俗の仕事から抜け出せないのは、日払いという給料のシステムにも理由がある。その日に稼いだお金をホストクラブで使い果たしても、また明日働けばよいと思ってしまうのだ。

しかし、2000年頃から風俗の世界も様変わりしてきた。ホストにハマっているわけでもなく、自分がカードの使いすぎで作った借金返済のために働く女の子が増えてきたのだ。まるでファストフード店でバイトするかのように、「一線」を簡単に超えてしまう。で、借金を返済したら、さっさとやめる。

リーマンショック以降、その頃はすでに私は風俗取材をしなくなったが、借金どころか食っていくための生活費を稼ぐために働いていると聞く。身寄りもなく、学歴もなく、住むところもない女性のセーフティーネットになっているのだ。

25年前、私が撮影した女の子たちは今、どこで何をしているんだろう。結婚して、子供を産んでいたりするのだろうか。風俗の女の子も、彼女たちからお金を吸い上げていたホストたちもお金を残したという話は聞いたことがない。どこかで幸せに暮らしていることを願うばかりである。

前置きが長くなった。昨日は、11月6日に移転オープンするソニーストア名古屋の内覧会へ行ってきた。ストア内のモニターで流している動画に私は出まくり。

youtu.be

↑それがコレ(笑)。何だか、小っ恥ずかしい。しかし、この動画に出演したおかげで、本来抽選で選ばれた人しか行くことのできない内覧会にストア側から招待されたのだ。

正直、あまり私は内覧会には興味がなかった。わざわざ行かなくても、センサーのクリーニングなどでこれから足を運ぶ機会はいくらでもあるからだ。今回出かけたのは、動画の中で佐藤二朗さんがリクエストした「8Kうまいもの写真展」に私も出展しているためである。

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8Kモニターで見る料理写真はとても迫力があった。仕事で撮影した写真ばかりだが、しばらくの間、ストア内で流し続けるらしい。栄界隈で仕事をしている方は、会社帰りにでも立ち寄ってやってください。

道を拓くのは、自分。

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まずは、告知から。

11/1(日)発売の『STORY』2020年12月号「どうしても、このひと皿に会いたくて」のタコス特集にて、名古屋エリアの店の取材と撮影を担当させていただきました。是非、書店で(できればお近くの三洋堂書店で・笑)お買い求めの上、ご覧ください。

storyweb.jp

さて、先日、酒席をともにしたある方がこんなことをおっしゃった。

「会いたい人に電話をするか、しないかだ」と。例えば、「会いたい人」が総理大臣だったとする。自分のようなイチ国民と会ってくれるはずがない、と誰もが思うだろう。だから、誰も電話をしない。

しかし、電話をしたら、道が拓けるかもしれない。可能性は0%ではない。今すぐには無理だとしても1年後、いや、5年後には会えるかもしれない。

写真専門学校で講師をしていた頃、卒業制作の批評の授業に参加させてもらったことがある。そのとき、校長がある卒業生について話をしてくださった。

その卒業生は、私よりも年下なので後輩にあたるのだが、彼は在学中から矢沢永吉の大ファンだった。矢沢永吉のジャケ写を撮りたいというか、それ以前に矢沢永吉に会いたいという一心で写真を学んでいたのだろう。

卒業後も東京の大手広告スタジオに就職した。すべては矢沢永吉に会うために。そして、フリーとなり、矢沢永吉のジャケ写を撮った。

彼とはまったく面識がないが、きっと、そこに至るまでは何度も挫折したと思う。でも、諦めて別の道を歩むことよりも夢の方が勝っていたから、実現することができたのだ。

道は自分で切り拓くしかない。親が政治家や医者、弁護士だったとしても、連れて行ってくれるのはその道の入り口くらいまで。その先は自分の足で歩くしかない。昨日のブログでも書いた通り、やはり、実行するのか、それとも諦めて何もしないのか、なのだ。

かつて私は、このブログで白か黒かの二択ではなく、白よりのグレーや黒よりのグレーなどグレーの数が多ければ多いほどよい、と書いた。しかし、自分の生き方だけはグレーにはできない。ソコソコの、及第点では0点に等しい。絶対に妥協できない、してはならない部分なのだ。

せっかく、この世に生を受けたなら、せっかく、カメラマンに、ライターになったなら、自分の腕と器量でどこまで通用するか試してみたい。51歳にもなって遅いと笑うなら笑えばよい。笑う者にはこう言ってやる。

「で、今、あなたは何をしているんですか?」と。

運命を分けるもの。

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文化の日の昨日は終日、仕事場で原稿書き。おかげで月初めが〆切の原稿をすべて終わらせた。後は今週末に控えているUFJニコスカードの会員情報誌『PARTNER』の取材・撮影と原稿のみ。やっと、先が見えてきた。

それにしても、先月は本当に忙しかった。おそらく、2020年でいちばん忙しかったのではないかと思う。それも、「撮ル」ことと「書ク」こと、そして「喋ル」ことがまんべんなく入っていたのがたまらなく嬉しい。

しかし、決してこれで満足してはならない。雑誌やWebメディアにおける「撮ル」、「書ク」仕事はまだしも、「撮ル」仕事は、飲食店のメニュー撮影だったり、「メイク&フォト」だったり。「喋ル」仕事も地元ローカル局の番組にすぎない。

つまり、カメラマンとしても、演者(?)としても、まだまだ名古屋エリアを抜け出せないでいる。もちろん、今のご時世で仕事があるだけでありがたいのだが、もっと、もっと、仕事の質を高めて、全国を縦横無尽に駆け巡るような存在になりたい。

飲食店のメニュー撮影は、地元密着型の仕事である。しかし、「メイク&フォト」は開催する場所を選ばない。それこそ、東京や大阪からでもオファーがあれば、喜んで行く。「喋ル」仕事もテレビであれば、めざすはキー局。講演会なら全国のどこへでも行く。と、書くと、荒唐無稽な話に聞こえるだろうか。

大言壮語と馬鹿にされようが、あまりにも現実とかけ離れていることに呆れられようが、ずっと、そうやってきた。無謀とは思いつつも実行するのか、それとも諦めて何もしないのか。それが運命を分ける。

幸いなことに、私の両親も、結婚してからは女房も、私のやろうとしていることに対して何も言わなかった。だから、私は今も仕事だけに集中することができている。これは本当にありがたいことであると思っている。

このブログは、その日に起こったことを書き綴ることもあるが、単なる日記で終わらせたくないと思っている。自分の思っていることや願望を包み隠さずに書く。そうすることで、ブログに寄った生き方に変わっていくのである。すべてのものはコトバから生まれる。コトバには無限の創化力があるのだ。

リアルな交流。

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昨日のブログを見た、三洋堂書店の亀割さんからお詫びの連絡があった。

「ナガヤさんのことを変人とか失礼な物言いをしてしまって、反省しています」と。いやいや、むしろ、亀割さんには感謝しているほどだ。彼のような方が上司だったら、私もサラリーマンを続けていたかもしれない。って、それはナイな(笑)。スミマセン、言いすぎました(笑)。

「ナガヤさんは変人ではなくて、自由人なんです。時間的な自由ではなくて、何事も自分で決断してきたということで」と、亀割さんは先日連絡をいただいたときの真意もお話ししてくださった。

たしかに、すべてを自分で決めてきた。ぶっちゃけた話、勇み足がすぎて後悔することも多々あった。しかし、時間は元には戻らないし、後悔することを恐れていては何もできない。

何かを決断するにあたって、いちばん大切なのは自分自身の気持ちに対して正直であること。だから、私は「お前は何者か?」と自問自答してきた。

昨日のブログにも書いたが、亀割さんは「お前は何者か?」と、再び自問自答をする機会を与えてくださった。その一言が、自分の中に眠っていたハングリー精神というか、現状に満足できない、してはならない自分自身が覚醒した。

結果、SNSから距離を置く決断をすることができたのである。

自分を、自分の人生を変えようと思ったら、何かを捨てなければならないと思っている。中には、何も捨てることなく、すべてを両立させている人もいるだろうが、私はそんなに器用ではない。

あ、捨てる=犠牲にする、ということではない。優先順位のことである。SNS、私の場合はとりわけFacebookだが、それを通じて人と交流するのは実際に楽しい。しかし、昔からの友人や仕事で出会った人とリアルに交流している方が何十倍、何百倍も楽しいのである。もっと、もっと、そこに時間を割きたい。

昨日は、安城市の麺類食堂ですべてのメニューを撮影した。メニューブックを制作するそうで、これは料理研究家の長田絢さんからの紹介だった。事前に彼女から、

「ご主人(写真)とナガヤさん、きっと、話が合うと思いますよ」と聞かされていた。

実際、お目にかかって話をしてみると、年が近いこともあり、まるで昔からの友人のように思えた。とくに麺類食堂は、町中華や喫茶店と同様に、その地域で暮らす人々に育まれてきたこともご主人は十分にご理解いただいているようで、お客さんに恩返しをしたいという気持ちが伝わってきた。

別れ際に、「いやぁ、楽しかったです!」と、私が言うと、「私も楽しかったです!」と、ご主人はニッコリと微笑んだ。これがリアルな交流の醍醐味である。SNSから距離を置いた今、このような機会をどんどん増やしていきたい。

SNSから距離を置きます。

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FacebookとTwitter、instagramを利用している。少し前から、自分のSNSのあり方について考えていた。とくにFacebookは、名古屋の片田舎に住む私にとって、お世話になっている東京の編集者との時間と距離を埋めるツールとして重宝していた。実際に久しぶりに会った方から、

「毎日、ナガヤさんのFacebookを見ているので、久しぶりという感じがしませんよ」と、言われたこともある。まさにそれが狙いだった。つまり、永谷正樹、という存在を忘れ去られないように、さらには認知をしてもらうために、SNSで発信してきたのである。

しかし、こうして毎日ブログを書いているうちに、はたしてFacebookなどのSNSは必要なのかと思えてきたのだ。発信したいことや伝えたいことがあれば、このブログでイイのではないかと。

Facebookは、「友達」という定義が曖昧な存在がある。その中に親友もいれば、知り合い程度の人もいるし、まったく面識のない人もいる。それらを十把一絡げに「友達」として、何かを呟いたり、発信したりすることにも違和感があるし、少し疲れた。

今日、三洋堂書店の亀割さんから、「来年2月に三洋堂書店で開催されるトークイベントへ登壇してみませんか?」とのオファーをいただいた。聞いてみると、登壇するのは、それぞれの分野で活躍する「エキセントリックでクレイジーな人」らしい(笑)。

私はエキセントリックでもなければ、クレイジーでもない。周りにはあまりいない、ちょっと変わった仕事をしているだけだと思っているので、私に務めるかどうか不安だった。

「変人は自分のことをフツーと思っているもんですよ」と、亀割さんは言うが、肝心なトークイベントとして成立するようなネタもない。フリーのカメラマンやライターの多くは、少なくとも私の周りの者は、社会からドロップアウトした者である。

一般人から見れば、フリーランスは「変人」に見えるかもしれない。しかし、フリーランスの中では、私はごくありふれた、平均的な、いや、平均点もとれない、どちらかというとダメなフリーカメラマンであり、ライターなのだ。そんな人の話を聞いて、面白いのか?

「いや、前に学生に『お前は何者か?』と自問自答を繰り返してきたって話してたじゃないですか。そういう話でイイんですよ」と、亀割さん。

その言葉で、トークイベントに登壇させていただくことを決めた。と、同時に、最近、自問自答をしていないことに気がついた。「お前は何者か?」と、改めて自問自答したとき、真っ先にSNSのことが浮かんだ。

例えば、旨いチャーラーを食べたとする。それをFacebookにアップしようと考える。SNSをやっていれば、ありがちなことかもしれない。しかし、ブログでは、そのチャーラーの味について詳細な部分にまで踏み込んで書かねばならない。ライターである自分がすべきことはそれなのではないか。

それに、ブログの読者様は、私の友人もいるし、見ず知らずの方もいる。とくに見ず知らずの方が美味しいチャーラーの写真とひと言ふた言の呟きを見たところで楽しいだろうか?しかも、文章を書くことを生業としているライターのブログで。

さらには、SNSに投稿したり、「友達」の投稿を見たりする時間ももったいないように思えてきた。少なめに見積もっても、おそらく1日1時間以上は必ずSNSをやっていると思う。毎日1時間半をSNSで費やしているとしたら、1週間で10時間半。10時間半という時間があれば、原稿が2本は書ける。

私はSNSで「いいね!」をもらうために写真を撮り、文章を書いているわけではない。私が相手にするのは、私のフィールドである雑誌やWebメディアの読者様である。その延長線上にブログの読者様もいる。

現在、ブログのアクセス数は毎日たったの200人前後。その1/4はFacebook経由なので、実質150名程度しかない。ブログの読者様をもっと増やそうと思ったら、SNSに力を入れるのではなく、雑誌やWebメディアで読み応えのある記事を書くことだ。同時にそれが私の未来にも繋がる。

よって、FacebookとTwitterでブログ更新の告知をしないことに決めた。SNSも少し距離を置こうと思っている。52歳まで半年を切った私には時間がないのだ。

サイコーに楽しい2日間。

『三洋堂書店新開橋店』の「メイク&フォト」イベントが終わった。今回もさまざまなドラマがあった。

80歳すぎのお母様に刺激を与えたいと、母娘で参加してくださった方や今日、定年退職を迎え、そのお祝いにと知り合いから招待してもらった方などなど。

私とえり子さんはもちろんだが、三洋堂書店様のスタッフさんまで、その人からイイ表情を引き出そうと褒めちぎる。勘違いして欲しくないのだが、これは作戦とか小賢しいことではない。

メイクを終えて、カメラの前に立った姿と、会場に入ってきたときの姿とのギャップに驚き、讃嘆の言葉が自然に出てしまうのだ。

ある方は「“カワイイ“なんて言われたのは何年ぶりかしら?」と、照れながらも大変喜んでくださった。

また、今回はリピーターの方もいらっしゃった。

「前回、気に入った写真はありましたか?」と、私が訊ねると、

「実はPCの調子が悪くて、まだ見ていないのよ」と、おっしゃった。

その方は、写真よりも、メイクをしてもらって、照明機材が並ぶ空間でレンズを向けられることが楽しくてリピートしたのである。このような楽しみ方もあるのだ。

さらに、今回は空き時間に2人の男性に協力していただき、男性向けの「メイク&フォト」のデモンストレーションを行った。

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左がメイク前で右がメイク後。肌のマット感と目ヂカラがまったく違う。モデルとなってくれた彼はメイク初体験。撮影後に出来上がった写真を見て、

「自分に自信が持てました!」と大変喜んでらっしゃった。ちなみに、私のお気に入りはこの1枚。カッコイイでしょ?

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私は「メイク&フォト」イベントに「その日が、あなたの記念日になる」というキャッチコピーをつけた。まさにその通りだと思う。

「メイク&フォト」は、「メイクをして、写真を撮る」という、どこにでもあるイベントかもしれない。しかし、参加された方は、写真以外の「何か」も持ち帰ってくださったと思っている。

皆、本当にイイお顔をしてらっしゃった。私もえり子さんも皆様から参加料だけではなく、多くの喜びとパワーをいただいた。これは絶対にお金では買えない。だからこそ、できるだけ長く続けたい。私のライフワークにしたい。

今はまだ集客に四苦八苦しているが、告知した瞬間に満員御礼となるイベントへと育てていきたい。私たちが手掛ける「メイク&フォト」は巷のそれとは完全に一線を画しているということを知らしめたい。

そのためには、カメラマンの私とメイクアドバイザーのえり子さん、それぞれのブランド力を上げるしか方法はない。明日から私もえり子さんも「ソロ活動」となるが、それぞれの現場で最高の仕事をするのだ。

今年12月11日(金)・12日(土)にまた『三洋堂書店新開橋店』で開催される。それまでによりパワーアップした姿を見せられるように精進いたします。乞うご期待!

最後に、一昨日・昨日とご参加くださった皆様、ありがとうございました。「メイク&フォト」が開催されていると知って、訪ねてくださった皆様、ありがとうございました!えり子さん、三洋堂書店のスタッフの皆様、お疲れ様でした。サイコーに楽しい2日間でした。