永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

SNSから距離を置きます。

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FacebookとTwitter、instagramを利用している。少し前から、自分のSNSのあり方について考えていた。とくにFacebookは、名古屋の片田舎に住む私にとって、お世話になっている東京の編集者との時間と距離を埋めるツールとして重宝していた。実際に久しぶりに会った方から、

「毎日、ナガヤさんのFacebookを見ているので、久しぶりという感じがしませんよ」と、言われたこともある。まさにそれが狙いだった。つまり、永谷正樹、という存在を忘れ去られないように、さらには認知をしてもらうために、SNSで発信してきたのである。

しかし、こうして毎日ブログを書いているうちに、はたしてFacebookなどのSNSは必要なのかと思えてきたのだ。発信したいことや伝えたいことがあれば、このブログでイイのではないかと。

Facebookは、「友達」という定義が曖昧な存在がある。その中に親友もいれば、知り合い程度の人もいるし、まったく面識のない人もいる。それらを十把一絡げに「友達」として、何かを呟いたり、発信したりすることにも違和感があるし、少し疲れた。

今日、三洋堂書店の亀割さんから、「来年2月に三洋堂書店で開催されるトークイベントへ登壇してみませんか?」とのオファーをいただいた。聞いてみると、登壇するのは、それぞれの分野で活躍する「エキセントリックでクレイジーな人」らしい(笑)。

私はエキセントリックでもなければ、クレイジーでもない。周りにはあまりいない、ちょっと変わった仕事をしているだけだと思っているので、私に務めるかどうか不安だった。

「変人は自分のことをフツーと思っているもんですよ」と、亀割さんは言うが、肝心なトークイベントとして成立するようなネタもない。フリーのカメラマンやライターの多くは、少なくとも私の周りの者は、社会からドロップアウトした者である。

一般人から見れば、フリーランスは「変人」に見えるかもしれない。しかし、フリーランスの中では、私はごくありふれた、平均的な、いや、平均点もとれない、どちらかというとダメなフリーカメラマンであり、ライターなのだ。そんな人の話を聞いて、面白いのか?

「いや、前に学生に『お前は何者か?』と自問自答を繰り返してきたって話してたじゃないですか。そういう話でイイんですよ」と、亀割さん。

その言葉で、トークイベントに登壇させていただくことを決めた。と、同時に、最近、自問自答をしていないことに気がついた。「お前は何者か?」と、改めて自問自答したとき、真っ先にSNSのことが浮かんだ。

例えば、旨いチャーラーを食べたとする。それをFacebookにアップしようと考える。SNSをやっていれば、ありがちなことかもしれない。しかし、ブログでは、そのチャーラーの味について詳細な部分にまで踏み込んで書かねばならない。ライターである自分がすべきことはそれなのではないか。

それに、ブログの読者様は、私の友人もいるし、見ず知らずの方もいる。とくに見ず知らずの方が美味しいチャーラーの写真とひと言ふた言の呟きを見たところで楽しいだろうか?しかも、文章を書くことを生業としているライターのブログで。

さらには、SNSに投稿したり、「友達」の投稿を見たりする時間ももったいないように思えてきた。少なめに見積もっても、おそらく1日1時間以上は必ずSNSをやっていると思う。毎日1時間半をSNSで費やしているとしたら、1週間で10時間半。10時間半という時間があれば、原稿が2本は書ける。

私はSNSで「いいね!」をもらうために写真を撮り、文章を書いているわけではない。私が相手にするのは、私のフィールドである雑誌やWebメディアの読者様である。その延長線上にブログの読者様もいる。

現在、ブログのアクセス数は毎日たったの200人前後。その1/4はFacebook経由なので、実質150名程度しかない。ブログの読者様をもっと増やそうと思ったら、SNSに力を入れるのではなく、雑誌やWebメディアで読み応えのある記事を書くことだ。同時にそれが私の未来にも繋がる。

よって、FacebookとTwitterでブログ更新の告知をしないことに決めた。SNSも少し距離を置こうと思っている。52歳まで半年を切った私には時間がないのだ。