永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

仕事は「気」の流れで成り立っている。

たびたびこのブログに書いている私のルール。

それは、ギャラの上下に関係なくオファーのあった順番で行う、というもの。

つまり、スケジュールが埋まった後からギャラのよい仕事の話をいただいたとしても断るということ。

「リスケすればよいだけのこと」

そう思う方もいるだろう。しかし、リスケされた側の気持ちはどうだろう。絶対に良い気分にはならないと思う。

一方、後からオファーをくださった方は、そこで断られても仕方がないと諦めるだけであり、気分を害することにはならない。

仕事というのは、そういった目に見えない「気」の流れのようなもので成り立っているのだ。大げさかもしれないが、誰かを泣かせている者にきちんと仕事ができるわけがない。

昨夜のこと。仲良しのシェフとGWが明けたら食事へ行こうと約束をしていて、そこに私の先輩で有名なコピーライターの森健さんも同席することになった。

丸の内で気になる寿司屋があったので、シェフと森健さんの了承を得て予約をすることにした。店のHPからネット予約ができるようで、幸運なことに席は空いていた。

ネットでの予約に慣れない私は何度も日時と人数を確認して予約ボタンを押した。すぐに予約完了のメールも届き、便利な時代になったものだと思って胸を撫で下ろした。

今日の夕方、スマホに見知らぬ番号から着信があった。出てみると、昨日予約した店だった。声からすると、アルバイトの若い女性。そして、耳を疑うようなことを言い出した。

「◯日に予約をされたと思いますが、◯日は貸切の予約が入っていまして……」

いやいや、ネット予約する際にそんなことは一切書かれていなかった。
「は?それってキャンセルしてくれってことですか?」と私。アルバイト女性は
「すみません」を繰り返すばかり。

これは邪推かもしれないが、◯日は私たち3人の予約しか入っていなくて、後から貸切予約が入ったためにこちらの予約を取り消したのでないか。

そりゃ飲食店も経営は大変だと思う。たった3人よりも、10人、20人と来てくれた方が儲かるのは間違いない。ただし、それは短期的なものだと思う。

何度も言うが、仕事は「気」の流れによって成り立っているのである。今は得をしたと思っても、この先はどうなるかはわからない。

少なくとも私はこの店に一生行かないと決めた。ちなみに今さっき、店のHPを見たところ、私が予約した日はまだ空いていた。