永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

Mちゃん。

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私にはカメラマンの仲間はそこそこ多い。しかし、ライターの仲間となると、ほとんどいない。いや、私自身が文章を書くのが苦手だと思っているから、あえてライターの方と交流するのを避けていたのかもしれない。

2年ほど前から地元のカメラマン、ライターが一堂に会して勉強会を開いている。そこで私と同級生のMちゃんという女性ライターと話すようになった。

Mちゃんは20年ほど前から私の存在を知っていたという。それどころか、ある料理屋さんで私と名刺交換をして、私の隣に座って飲んだらしい。“らしい”と書いたのは、私がまったく覚えていないからだ(汗)。

「全国誌の仕事をしているナガヤさんって人がいるってウワサになってたんだよ。で、ある店にいたときに、お店の人から『あの人がナガヤさん』って紹介されて。でも、当時のナガヤさん、すごく怖くて。『オレの隣に座るなら、何かオモシロイこと喋れよな』みたいな、人を寄せ付けないようなオーラがあった。結局、私は何も話せなくて……」と、Mちゃん。

おいおい、“何かオモシロイこと”って(笑)。私ゃ大物プロデューサーじゃないんだから(笑)。きっと、勝手にイメージを膨らませていたんだろう。いや、20年前の私はたしかにトンガっていたかもしれない。

編集プロダクションを辞めたとき、私は仕事のフィールドを名古屋ではなく、東京に求めた。というか、修業していた編集プロダクションが全国誌の仕事しかしていなかったため、私は名古屋での仕事の仕方がわからなかったのだ。

名古屋で仕事をしているカメラマンやライター、編集はすでに強固な関係が構築されている。あ、それは私の勝手なイメージに過ぎないが。そこに地元誌にコネも何もない私が入っていいものか。「お前、誰よ?」という目で見られるのも耐えられなかった。

Mちゃんが私のことを恐れていたように、何てことはない、私も地元誌のカメラマンやライター、編集が怖かったのだ。たぶん。だから、それをさとられないように、強がって、トンガっていたのかもしれない。

Mちゃんとは前出の勉強会後の懇親会や忘年会などで一緒に飲んだことはあったが、昨夜は初めてサシで飲んだ。夜8時に錦3丁目『名古屋大酒場 だるま』へ行き、店を出たのがとっくに終電がなくなった深夜2時すぎ。いやぁ、いっぱい話した。そして、いっぱい飲んだ。

前にも書いたが、Mちゃんとは同級生。同じ年に生まれて同じ時代を生きてきたのだが、Mちゃんはこれまでハンパない苦労をしてきた。それでも、今も文章を書く仕事をしている。いや、その経験があったからこそ、Mちゃんのコトバには力があり、文字を紡ぐ仕事に生かされているのだ。

私は何と甘ちゃんだったのだと思った。フリーになったばかりの頃は女房に食わせてもらったし。何の苦労もせず、のほほーんと半世紀を生きてきた。だから、私は人に語れるような人生を歩んではいない。昔はそれを恥ずかしく思ったが、今はそれを受け入れられるようになった。変えようと思っても変わらないから。

そんな生きざまも生き方も取材するジャンルも違う私とMちゃんだが、共通する部分がある。過去のことではなく、これからのことだ。お互いに50歳を迎えて、ライターとして(私はカメラマンとしても)自分の本当にやりたいことをやろうと。その意見が一致した。それが本当に嬉しかった。

昔からの友達もかけがえのない存在ではあるが、この年になってできた友達も同じくらい大切な存在である。Mちゃん、お互いに頑張ろう!また飲みに行こうね。

チャーラーの旅。12

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GWに仕事をしまくったおかげでのんびりとした日々を送っている。書かねばならない原稿があるが、今週中に書けば問題ない。ってことで、今日は午前中をオフにしてブログを書こうかと。結局、PCの前に向かうことになる(笑)。でも、気分が違うからヨシとしよう。

さて、さほど反響がないのに、私が勝手に人気だという風説を流布していた(笑)「チャーラーの旅。」のアクセス数がジワリと増加しつつある。私の、独善的な思いを身勝手に綴った文章と比べると、1.5倍ほども差がある。みんな、欲望には忠実なのだ(笑)。

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今回紹介するのは、GWに訪れた春日井・勝川の『龍龍』。ここは知り合いのwebコンサルの社長に紹介していただき、たまに食べに行っている。

ryuryu2.com

あまりにも美味しかったので、『おとなの週末』のグルメ情報サイト『まとメシ』でも紹介させていただいた。

matomeshi.jp

ここは町中華ではなく、ラーメン店。ゆえに、チャーラーのセットはない。単品で注文せねばならないのだが、巷のラーメン店で出すそれとはまったくレベルが違うのである。

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まずは「中華そば」(750円※価格は2019年5月3日現在)。豚骨と鶏ガラのみを使用したスープは、豚と鶏の旨みを凝縮。奥行きがあって、飽きがこない。また、麺は自家製麺。加水率が低めで、適度なコシとのど越しの良さが特徴。

具材は、チャーシュー4枚とメンマ、うずら卵、ネギ、海苔と、デフォルトの「中華そば」でもたっぷり。特筆すべきはチャーシューだ。写真はバラ肉だが、脂の少ないロースも選択できる。

しかも、提供する前にチャーシューをセイロに入れて、麺を茹でる蒸気で温めている。斜めに切ったネギも麺に絡みやすく、普通にカットするよりも食感と香りが楽しめる。ちょっとしたことだが、やるのとやらないのとではまったく違う。それを熟知しているのだ。

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こちらは「炒飯」(600円※価格は2019年5月3日現在)。「半炒飯」(400円)もあったが、腹ペコだったので通常サイズを注文。ところが、1人前以上のボリュームにビビり(笑)、女房とシェアすることに。長男が頼んだ半炒飯が1人前のボリュームだったのだ。

炒飯にはさいの目切りにしたチャーシューがゴロゴロ。パラパラの食感なので、チャーシューの存在感がハンパない。肉の旨みもしっかりと感じた。油のしつこさがないのは、油を吸わせた卵がご飯全体をコーティングしているからだろう。もう、炒飯としては完璧と言ってよい。

ラーメン店がこれほどの炒飯を出すのである。町中華にとっては脅威かもしれない。

30勝100敗。

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お前は、ラクをしてないか。

お前は、妥協してないか。

お前は、自分を甘やかしてないか。

お前は、全力を出したのか。

お前は、誠を尽くしたのか。

お前は、自由に生きているのか。

お前は、精一杯生きているのか。

などなど。

いつも心の奥でもう一人の自分が叫んでる。

「うるせぇ!ダメな部分も含めて、オレはオレなんだ!」

って、前までは開き直ってた。

でも、今は違う。

「負けてたまるかっ!」

って、もう一人の自分に勝負を挑んでる。

年が明けてから、早いもので130日が経った。

オレ対もう一人の自分は、30勝100敗。

勝率約23%。

まだ、4回に1回も勝てない。

でも、心の奥底で叫んでるもう一人の自分もオレだから、

クリアできない問題を与えることはない。

だから、絶対に勝ち越すことができると確信してる。

今、世に出ている人たちは、

この勝負に勝った人たちに違いない。

人よりも頑張る、のではない。

もう一人の自分に

「お前、よく頑張った」と言わしめるのだ。

今日もオレはもう一人の自分に勝負を挑む。

このブログは、私の生きた証であり、遺書でもある。

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このブログをはじめた頃は、写真や文章の仕事以外に「名古屋めし」についての講演会のオファーが沢山あった。そのレジュメを作ろうと、このブログをはじめたのである。

だから、2017年まではほとんど名古屋めしのことばかり。今でも名古屋めしについて書いた記事のアクセス数は多く、人々の関心の高さがうかがえる。

しかし、今年に入って、毎日書くようになると、内容は様変わりしてきた。タイトルこそ「なごやめし」とあるものの、まったく関係ないことばかり書いている。「名古屋めし」を検索して、このブログに辿り着いた方には申し訳なく思っている。

それにしても、毎日書くというのは、本当に大変である。気分がノッてるときは問題ない。落ちているときも書かねばならないのが辛いのだ。でも、私はいつもノリノリなわけではないし、凹むことだってある。怒り狂うこともある。泣くことだってある。

それを包み隠さず、ありのままの気持ちを書こうと思ったとき、気持ちが楽になった。どれだけ短くても毎日書き綴ろうと思えた。

だから、このブログは、私が生きた証でもある。2人の息子たちはブログの存在を知っているが、たぶん見てはいない。ひょっとしたら、見るのは私が死んだ後かもしれない。

変態焼肉って、何なんだよ(笑)」と笑い、盛り上がってくれれば、父としても本望である(笑)。父は家庭のことを顧みなかったが、オノレの人生を面白おかしく生きていたことをわかってくれるだろう。

また、生きることに疲れたときに読み、

「親父は50歳になってもいろいろ悩んでいたんだなぁ」と、少しでも気持ちが楽になれば、これほど嬉しいことはない。

だから、このブログは、私の遺書でもあるのだ。そう考えると、毎日ブログを書くエネルギーになる。

同慈同悲の心。

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5月8日の午前、滋賀県大津市の交差点で信号待ちしていた園児の列に車が突っ込み、園児と保育士ら15名が死傷した。園児13名のうち、2歳の園児が死亡した。

生まれてから、わずか2年で亡くなった子供や残された親御さんのことを考えると、胸が締め付けられる思いになるのは、私だけではあるまい。

また、親から虐待されて亡くなる子供も後を絶たない。そんなニュースを耳にしたときも同じような気持ちになる。

事故で亡くなった子供も、虐待で亡くなった子供も、赤の他人である。それなのに、悲しくなるのはなぜだろうか。

それは、心のずーっと奥の部分で繋がっているからだと私は思う。

痛ましい交通事故や虐待をきっかけに条例や法律が整備されることもある。しかし、なかなか再発防止にはならない。条例も、法律も、所詮は人間がつくったものであり、いわば「器」にすぎない。もちろん、この世の中をより良くするための知恵と愛に基づいたものではあるが。

肝心なのは、「器」の中にある私たちの心だ。誕生からたった2年という短すぎる生涯を終えてしまった子供たちへを思いやる心。そして、残された家族の苦しみや悲しみを思いやる心。

「同慈同悲(どうじどうひ)」という言葉がある。人の苦しみや悲しみを自分のことと捉えて、寄り添い、ともに泣き、立ち直るための手助けをすることである。

今回の事故で亡くなった子供たちの家族に、実際に私ができることは何もない。しかし、車の運転中に散歩をしている園児を見かけたときに、今回の事故のことを思い出して、安全運転を心がけることはできる。

「同慈同悲」を生きているのは、前にもブログで書いたが、皇室の方々ではないだろうか。災害時に被災者に寄り添い、励まされたのは今でも人々の記憶に残っている。

それは何も平成の時代だけではない。昭和天皇も戦後、愛する人を、家族を戦争で失い、打ちひしがれていた人々を励ますために全国をご巡幸された。それによって、国民は奮起し、奇跡的な戦後復興につながったのである。

ネットの普及に伴って、相手の気持ちを理解せず、一方的に叩きのめすような風潮がある。そこには憎しみや悲しみしか生まれない。ヘイトスピーチをする自称保守は、天皇陛下の「同慈同悲」の心、大御心から何も学んではいないのだろうか。

どんな人にも愛する人や家族がいるのである。あらゆる人に「同慈同悲」の心で接する。そんな人に私はなりたい。

写真は、岐阜・正法寺にある岐阜大仏。江戸時代に相次いだ地震や飢饉のために心を痛めた11代目の和尚が建立を思い立った。

大仏に使用する経本を集めるも思うように集められず、托鉢してひたすら集めた。12代目の和尚もまた先代の意志を継ぎ、計38年もかかって建立された。岐阜大仏は、両和尚の「同慈同悲」の心の顕れなのである。

写真はずいぶん前に撮影したものだが、また大仏様に手を合わせたくなった。

おとうさん大すきだよ。

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古いシステム手帳のポケットから、息子たちからもらった手紙や、私が撮ったプリント写真が出てきた。

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これは、「ムシキング」が流行っていた頃(2005年)なので、長男が7歳のときだ。と、いうことは、小学2年生くらい。長男は5歳頃から昆虫が好きになり、大学4年生となった今でも網を持って昆虫を追いかけ回している(笑)。

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2005年は、私が入院した年でもあった。退院時に長男から手紙をもらった。これは紙を折って、セロテープで貼り合わせて作った封筒である。そこには、

「この中を見てね。おとうさん大すきだよ。この中はおたのしみ。おとうさんへ たいいんおめでとう。」と、ある。

ところが、なぜか私は封を開けていなかったのである。まったく、最低の父親だ。

そこで、14年の時を経て開封してみた。

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中に入っていたのは、「ギラファノコギリクワガタ」の絵。

「おとうさんへ たいいんおめでとう。あとでいっしょにあそぼうね。ひろきより」というメッセージも添えられていた。

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それと、もう一つ。赤い折り紙で作った……これは名鉄電車だろうか。ここにも

「おとうさん大大大大大大すき」と書いてある。

こちらは、おそらく次男(当時4歳)が書いたものだと思う。

それにしても……長男も、次男も、どれだけ私のことが好きなんだ(笑)。

2005年は愛知万博もあって、めちゃくちゃ忙しかった。あまり子供と遊んでやることもできなかったので、手紙を書いてくれたのだろう。

今は長男が21歳、次男は18歳になってしまったが、私の中では幼い頃のまま。今でもハグしたい衝動に駆られる。隙を見て、というか、ガマンできずにハグしてしまうこともある(笑)。

あ、開封しなかった手紙の返事を書かなきゃな。

おとうさんも、大大大大大大大大大大すきだよ!

私のGW。

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私のGWは5月1日~3日の3日間のみ。それ以外は曜日に関係なく仕事をしていた。3日は、女房と長男の3人で渥美半島の先端、伊良湖へ行ってきた。次男は29日から東京旅行中だったので、このメンバーになった。

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到着したのはお昼時。せっかく伊良湖に来たのだから、地魚を使った料理を食べたい。と、いうことで、たまたま通りかかった『いちば食堂』という店で昼食を摂ることに。写真に人が写っていないが、実際はめちゃ混みで、ものすごく待たされた。この日はどの店へ行っても同じだろうと思い、待つことにした。

待っている間、私はカメラ片手に店の周辺をスナップ。以下が撮影した写真。

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1時間近く経って、ようやく店内へ案内された。

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店内には大漁旗がズラリ。いかにも、といった感じ。

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こんなものも。

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3人とも「刺身定食」を注文。まず、運ばれたのは前菜三種盛り。手前から、「スナップえんどう」、「じゃこの酢の物」、「きんぴらごぼう」。

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これがメインの刺身盛り。内容は、たしか赤鯛と黒鯛、鱸、平目、鰆、イカ、平貝だったと思う。とにかく、すごいボリュームだった。大半は白身だったので、食べているうちに飽きが来てしまった。

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定食のご飯は、白米かアサリご飯のいずれかを選ぶことができた。もちろん、アサリご飯をセレクト。アサリのだしがほんのりときいていて美味しかった。

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食後は恋路ヶ浜へ。私と女房は波の音に耳を傾けながら、のんびりとした時間を過ごした。一方、長男はというと……。

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砂浜にいる昆虫探しに夢中(笑)。↑写真の昆虫は、砂浜にしかいないゴミムシだそうで、この日はこれを狙っていたらしい。どれだけマニアックなんだ(笑)。

まだ、ブログには載せられないが、女房の写真も沢山撮った。カメラマンの女房である以上、写真を撮られるは宿命だが、それを女房はかなり嫌がる。それでも、なぜか私はレンズを向けてしまう。私なりの愛情表現かもしれない。もっとジジイになったら、若かりし頃から現在に至るまでの女房のポートレートを作品として発表したい、とも思っている。女房は反対するに決まっているが。

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この日の夕飯は、自宅へ帰る途中で立ち寄った春日井・勝川のラーメン店『龍龍』で。

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注文したのは、「中華そば」と……。

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炒飯(笑)。GW中であっても、「チャーラーの旅。」は続いているのだ(笑)。だから、ここでは詳しいレポートは控える(笑)。

これが私の短いGW。今年はGWだけでなく、お盆休みもガンガン仕事をして、10月か11月くらいに海外にでも遊びに行こうと思っている。皆が遊んでいるときに仕事をして、皆が仕事をしているときに遊ぶというのはフリーの特権でもあるのだから。