永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

2人の芸能人と人気店から学ぶこと。

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今日は、朝10時から取材・撮影。スパ銭で汗を流して、昼食を摂ってからテレビ愛知へ。午後からは『デラメチャ気になる!』のロケだったのだ。

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はるな愛さんと村上佳奈子さんは、朝から別の特番でロケをしていて、『デラメチャ』は2本目。にもかかわらず、パワー全開(笑)。その場の空気をしっかりと読んで適切なコメントをされるだけではなく、しっかりとその場を盛り上げて笑わせる。

村上佳奈子さんは、思ったことや気がついたことを一度頭の中で変換せず、自由に発言する。それがまた面白いのである。私もロケの最中で何度笑わせてもらったかわからないほどだ。

はるな愛さんは、お店の人をイジるのが上手い(笑)。今回訪れたのは、私が過去に取材でお世話になった店4軒。私が取材で引き出せなかったお店の人たちの魅力をイジりまくることで見事に引き出したのである。

料理を作る人をフューチャーしつつ、その店の魅力や料理の美味しさを伝えることを私は信条としているが、イジり倒すことも一つの方法論かもしれないと思った。まぁ、それは「はるな愛」というブランドを確立しているからこそできる荒ワザではあるが。

そんな2人のプロの仕事ぶりを目の当たりにして、私なんぞはまだまだだと実感した。やはり、youtuberデビューしなきゃならないか(笑)。

それとありがたかったのは、お店の方々の協力を惜しまない姿勢。もちろん、テレビで紹介されるとメリットも大きいからだろうが、その反面、O.A.後に非常識極まりない客が来たりという話もよく耳にする。にもかかわらず、皆、快く取材に応じてくださった。

中には担当Dが取材のアポを入れたとき、「ナガヤさんには足を向けて寝られませんから」とおっしゃった方もいたそうだ。私がフードライター、フードカメラマンとして仕事ができるのは、取材で出会った多くの飲食店の皆様が支えてくださっているからだと実感した。

はるな愛さん、村上佳奈子さん、お疲れ様でした!そして、取材にご協力いただいた皆様、ありがとうございました!O.A.は10月になるそうです。楽しみですね!

『デラメチャ』のロケは終始楽しく、笑っぱなしで終わった。担当Dに見送られてテレビ愛知を後にすると、急にお腹が減ってきた。ロケは食レポだったが、私はプレゼンする側なので、ほとんど食べていないのである。

何を食べようかと思い巡らせたとき、名古屋市北区の『光村』の「かき揚げ丼」が真っ先に浮かんだ。もう、それ以外考えられなくなった。進路を国道22号線から41号線へと変えて『光村』へと車を走らせた。

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ここでも店を切り盛りする水谷之俊さん・浩三さんが温かく迎えてくださった。注文したのは、もちろん「かき揚げ丼」。海老の甘さを極限まで引き出した絶妙な揚げ加減やコクのあるタレとかき揚げ、ご飯の絡み具合、ご飯の炊き加減も完璧。赤だしやぬか漬けも手を抜かない姿勢にもいつも頭が下がる。

小さなことの積み重ねと、弛まぬ味の追求。その両輪がバランスよく回っているからこそ、コロナ禍においても客足が途絶えないのだ。

今日は長丁場だった上に、普段使わない神経を使ったせいか、ヘトヘトだった。が、「かき揚げ丼」を食べながら、『光村』の人気の秘密を考えていたら元気になった(笑)。カメラマン、ライターといえども、人気店から学ぶことは本当に多い。だから、この仕事はやめられない。

まさかのyoutuberデビュー?

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税理士をしている高校時代の先輩から「HPを作るので写真を撮ってほしい」との嬉しすぎるオファーをいただいた。久しぶりに先輩の顔が見たくなり、事務所へ行ってきた。

撮影の打ち合わせもしたが、大半は世間話。こうなることはわかっていた(笑)。その中で、ネットで動画を配信することを勧められた。つまり、私にyuotuberになれと(笑)。

でも、今さらスマホカメラお撮影講座やキャッチコピー作成講座なんかはしたくはない。そんなの、同業者がいくらでもいぇっていることだろうし。

今年6月に関西大学総合情報学科でのリモート授業のように、私自身のことならいくらでも話せる。私自身はフツーで、平凡で、ツマラナイと思っている人生が、第三者からすれば面白いらしいから。

動画は、今年5月、新型コロナの緊急事態宣言中にメイク&フォトの相棒、山村えり子さんのメイク動画を撮影したので、機材も編集ソフトもある。

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これはもう、やるしかないか(笑)。自撮りであれば、編集も最低限で済むし。でも、私なんぞの話を聞きたい人がいるのかどうかである(笑)。読者の皆様、私なんぞの話、聞きたいですか?

そんなことを考えていたら、福田ちづるさんから電話があった。

「いろんな人がいろんな場所でボランティアや社会貢献をしているのに、私は何もできていない」と。そう思ったら、やればよいのだ。NHKの帯番組のMCを務めている彼女だったら、しかるべき団体や組織に相談したら引く手あまただと思う。

彼女の得意とするトークやレポートといった仕事の話ではなく、思いっきりプライベートに踏み込んだ話。それこそ、これまでどんな人生を歩んできたのかという話はとても興味深いと思う。コンテンツの塊のような人なのに、「演者」ゆえに気がついていないのである。

そこで思いついたのは、私がインタビュアーを務めて、彼女がそれに答えていくというもの。私としてもグルメ取材だけではないということがPRできるし、彼女もこれから講演会活動をする上でのコンテンツ作りにもなる。これは何とか実現させたい。

ネックとなるのは、お互いのスケジュールを合わせることだろうな。私はヒマだけど……。まずは、私自身が動画の機材に慣れることからかな。試しに自撮りで語ってみるか(笑)。

 

※写真は、関西大学総合情報学部でのリモート授業の画面をキャプチャーしたもの。私がyoutuberになったら、こんなイメージ。やっぱり、キツイわー(笑)。

職務放棄。

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基本的に、取材は楽しい。ずっと取材をしていたいがために、屋号を『取材屋』と命名したほどである。が、1年に1回あるかないかくらいで嫌な思いをすることがある。それを不意に思い出してしまった。

それはある喫茶チェーンを取材したときのこと。私は業種を問わず、大手チェーンは基本的に取材しない方針なのだが、雑誌の特集内容からやむを得ない状態でもあった。

広報の担当者に電話でアポを取ると、すんなりとOKが出た。大手になると、企画書を出せとかいろいろと面倒くさいことを要求されるのが常だけに、これには少し驚いた。その喫茶チェーンはほとんどの店がFC店。取材先は数少ない直営店を指定された。

このあたりのやりとりも非常にスムーズに進んだ。取材慣れしているのだろう思った。ところが、取材当日、担当者は現場には来なかった。仕方がないので、店にいる「社員」から話を聞くことにした。

取材が終わったら、用意していただいたメニューや店内、外観、社員さんの写真を撮影。そして、メニューの代金を支払って店を後にした。ここまでは、広報の担当者が取材に立ち会わなかったこと以外は順調に進んだ。

数日後、担当者から連絡があった。話を聞いてみると、「記事のゲラをチェックさせてほしい」とのこと。その雑誌は、取材先にゲラチェックをさせないことを方針としており、私はその要求を突っぱねた。撮影したメニューの代金を支払っているのも文句を言わせないためでもあった。

しかし、担当者は「見せろ」の一点張りで一歩も引かない。もう、この時点で金輪際、このチェーンは取材しないと心に誓った。編集長に相談すると、「仕方がないので見せてやって」との指示が出た。

不本意ではあったが、ゲラをメールで送った。すると、修正の指示だらけで戻ってきた。「だからチェックする必要があったんです」と、ドヤ顔で。メールだから見てないけど。きっと、最上級のドヤ顔をしていたに違いない。

修正箇所をチェックすると、とくに駐車場の台数などデータの部分が多かった。ちなみにそれらは、広報担当者に代わって取材に対応してくれた「社員」に聞いたものをそのまま書いただけである。

ってことは、こちらに落ち度はない。それを私は最上級のドヤ顔で指摘した(笑)。すると、「こちらで確認してみます」と返信があった。

翌日、自身のミスを認めたメールが届いた。しかし、そこに謝罪の言葉はなかった。それどころか、「今後はゲラのチェックが出る媒体の取材をお願いします」と書いてあった。取材に行く気持ちどころか、客として行くのも嫌になった。

そもそも、取材に立ち会うという職務を放棄すること自体が広報として失格ではないのか。地元のメディアは、そのチェーンから新メニューが発表されるたびに大騒ぎしているが、私はそれを冷めた目で見ている。

グルメ取材の場合、取材先とメディアはどちらが上とか下とかではない。基本的に美味しいと思ったから取材するわけで、お互いに気持ちよく仕事ができればそれでよいのだ。それをわかっていないお馬鹿さんを相手にしているヒマはない。

ステータス。

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先日、自動車のディーラーに勤めている友人からこんな話を聞いた。

「ハイエースのスーパーGLに乗っている大工さんは、しっかりしているというか、儲かっていると思われるみたい。同じハイエースでもDXじゃなくて、スーパーGLね」と。

カメラマンの世界でも、ボルボのステーションワゴン=売れっ子という話を聞いたことがある。今はまったく耳にしないが。要するに、ステータスってやつなんだろう。くだらねぇ。

まぁ、価値観は人それぞれだが、私は車にステータスなんぞ微塵も感じていない。車選びの基準はたった一つ。尋常ではない量の撮影機材を運搬するということだけだ。

だから、両面スライドドアのホンダ・フリードを10年間も乗り続けている。私にとっては、ボルボのステーションワゴンやベンツのSUVよりもずっと使いやすいと思っている。

あ、バブルの頃は、ハッセルブラッドというカメラも売れっ子カメラマンの象徴だったな。実は、これは持っている(笑)。

言っておくが、ステイタスだからじゃないぞ(笑)。ハッセルブラッドに惚れ込んだから、ハッセルブラッドでしか撮れない写真があるから買ったのだ。

服はもっぱらユニクロやGU、Right-on、Mac-Houseなどで買っている。服はそのまま仕事着になるので、痛むのが早い。何せ、肉体労働だから。2シーズンもてばよい方なので、安いものをこまめに買っている。

そもそも、服に限らず、時計(そもそも着けてない)やカバンなど身につけるものに対しても、まったくステータスを感じていない。

昨日のブログにも書いたが、自分自身を「盛って」売れっ子を演じたとしても、それが何になるのか。ボルボに乗っているから、ロレックスを着けているから仕事がもらえるなんてことがあるのか⁉︎

あったとしても、私は乗っている車や身につけているもので判断するようなクライアントと一緒に仕事をしたいとは思わない。まぁ、フリーとなってまもなく四半世紀が経とうとしているけど、ただの一度もそんな人はいなかったが。

何度も書くけど、高級車から降りて、着飾ったブランドものを脱ぎ捨ててスッポンポンになったとき、ソイツ自身が面白いか否か。それだけなのである。

ステータスとは社会的地位という意味である。そもそもカメラマンやライターなんぞにそんなものがあるわけがない。

新型コロナの影響で、仕事がまったくなくなったとき、それを痛感した。世の中に必要不可欠な存在ではないのだ。

ただ、あればあったで人生が少しだけ豊かになる。カメラマンやライターとは、その程度のものなのだ。

ボルボに乗っているから、ロレックスを着けているから、カメラマンやライターの社会的地位が認められたり、向上したりするなんてことはあり得ない。

嘘。

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その昔、誰かから

「もっと賢くなれ」

と言われたことがある。

 

ここで言う

「賢い」とは、

儲けるためには

多少の嘘も必要、

ということである。

 

嘘。

それは、

デキる人を演じて、

自分のことを

大きく見せたりすること。

 

それを私は拒絶した。

そして、

わざわざ忠告してくださった方を

心から軽蔑した。

 

たしかにそれは、

セールスにおける

1つのテクニックかもしれない。

 

しかし、

嘘をついてまで、

自分自身を偽ってまで

仕事なんてほしくはない!

と、思ったのだ。

 

撮るプロとして、

書くプロとして、

評価されるのは、

撮った写真と

書いた文章。

 

うん、それは当たり前だ。

 

それと、ありのままの

私自身。

 

ありのままの

私を見て、

「コイツ、面白ぇ」

「コイツに会ってみてぇ」

「コイツと話てぇ」

等々。

 

そう思ってもらえたら

それでイイのだ。

 

儲けるために

嘘をつく人は、

いや、

嘘をつかざるを得ない人は、

ありのままの自分の中身が

空っぽであることを

自ら告白しているようなものだ。

 

第一、嘘をついて

カネを儲けて

心から喜ぶことができるのか。

 

私にはとてもできない。

 

商売は、

狐と狸の化かし合い。

そんな

仕事観を持つ人とは

一緒に仕事をしたくない。

 

私にとって、

仕事は神聖なものであり、

決して侵してはならないものなのだ。

 

嘘つきは言うだろう。

「青い」

「綺麗事」と。

 

そんなヤツが

この広い世界にいても、

誰も困りゃしないだろう。

立ち位置。

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最近、

「立ち位置」について

よく考えることがある。

 

人それぞれに

「立ち位置」があり、

物事の捉え方も

「立ち位置」によって異なる。

 

とくに、持つ者と

持たざる者では、

考え方がまったく違う。

 

持つ者は、

消費税が10%になったくらい

どうってことはない。

しかし、

持たざる者にとっては

死活問題である。

 

企業経営者であれば、

法人税が上がるのは

たまったものではない。

一方、雇われの身であれば、

法人税なんぞは

まったく関係ない。

 

ほかにも、

病に苦しむ者と健康な者。

結婚している者と独身の者。

子供がいる者といない者。

 

それぞれが互いの「立ち位置」で

オノレの言い分を主張し合う。

 

いわゆるポジショントーク。

それに共感する者たちが群れる。

 

それが一つの「力」となり、

「立ち位置」の異なる者同士が

いがみ合う。

 

彼らは言う。

「この立場になってみないとわからない」と。

 

正論である。

わかるわけがない。

わかり合えるわけがない。

 

「立ち位置」の異なる者の間にある

溝は埋まることはないのだろうか。

 

人には想像する力がある。

人を思いやる心もある。

 

仏教でいうところの

「慈悲」の心だ。

 

「慈悲」の心が

この世から争いをなくし、

「世界ヲ明ルク」する。

 

そう、思わないか?

自戒を込めて。

ナガヤに撮ってほしい。

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実は私にとってはずっと懸案事項だったネット配信動画の収録が終わった。オファーをいただいたときに思い描いていたものとはまったく違っていた。

いや、これはクレームなんかではなく、イイ意味でね。守秘義務があるのでこれ以上は明かせないが、公開が決まったら告知するので、しばしお待ちを。

喋ル仕事は、テレビ愛知『デラメチャ気になる!』から、またオファーをいただき、来月3日がその収録。元気いっぱいのはるな愛さんと村上佳菜子さんとまた美味しい店を巡る予定だ。

さらに、まだ本決まりではないが、同じテレビ愛知から別番組のオファーもいただいている。って、いったい私は何屋なんだ(笑)⁉︎ まぁ、人様から必要とされるのはありがたいことだし、嬉しいので、ボランティアでない限りはテレビにもラジオにも出まくろうと思っている。

ってことで……。テレビ愛知の専属ではないので、他局の皆様も遠慮なくオファーをください!できれば、レギュラーで(笑)。

さて、月末に突入した。月初めに締め切りが集中しているため、毎月この時期がいちばん忙しい。30日(日)と31日(月)、9月3日(木)に取材が入っていて、その合間に原稿を書かねばならない。

えーっと、締め切り間際だというのに、まだ手付かずになっている原稿は……4本。明日8月29日(土)と9月1日(火)と2日(水)、4日(金)の4日間で4本。1日1本ペースで書き上げねば間に合わないということだ。何という綱渡り的スケジュール(笑)。いや、笑ってなんていられない。何としてもやらねばならないのだ。

あと、取材が縁となったお店からHPに使用する写真撮影のオファーをいただいた。それも、立て続けに2件。しかも、いずれもミシュラン掲載店。本当に嬉しいし、光栄である。

何が嬉しいかって、皆、撮影料は二の次に「ナガヤさんに撮ってほしい」とおっしゃる。それがたまらなく嬉しい。この年になると、そんな人と人との繋がりが心に染みる。コロナ禍で決してラクとはいえないだろうに。本当にありがたい。

プロとしてオファーをいただいた以上、「最高の1枚」を撮らせていただこうと思っている。まずは月末から月初めにかけての原稿地獄、いや原稿天国を楽しくのりきらねばっ!