永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

自販機ラーメン。

京都北部へ出張に行ったら、絶対に立ち寄ろうと決めていた場所がある。

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舞鶴市の東雲駅近くにある『ドライブイン ダルマ』がそれ。ドライブインという名称からして思いっきり昭和。

店内に入ると、もっと昭和。何せ、昔懐かしいラーメンやうどん、そばの自販機がズラリと並んでいるのだ。

コロナ禍をきっかけに餃子や焼肉、ラーメンの自販機が街のいたるところに設置されている。でも、昭和から平成の初め頃まではこれらの自販機はよく見かけた。

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とくに、ドライブインは沢山あった。愛知県内にも国道41号線や22号線沿いに建っていて、どの店も24時間営業だった。

当時は今ほどコンビニの数も多くなかったので、夜遅くまで遊んで、小腹が空いたときによく立ち寄った。特別に旨いわけじゃないけど、ホッとする味だった。

どこかでまた食べられないかと探していて、見つけたのがここだった。ブックマークして、いつか行こうと思っていたのだ。

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到着したのは、午後4時すぎ。ちょうど小腹も空いていた。自販機は、ラーメンときつねうどん、天ぷらうどんのほか、カップヌードルや瓶のコーラなどもあった。

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残念ながらハンバーガーとホットドッグは売り切れ。ホットドッグは食べたことがないけど、ハンバーガーはよく食べた。昔、名古屋空港にもこの自販機があったような記憶がある。

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どれを食べようか迷ったが、ラーメンに決定。値段は250円。330円のスガキヤラーメンよりも安い!

自販機に書いてある通り、お金を入れて27秒経つと、下の取り出し口からニュッとラーメンが出てくる。27秒という中途半端な時間は、自販機内部にある電子レンジの加熱時間なのだ。

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これが自販機ラーメン。具材はチャーシューとモヤシ、ネギ。澄んだスープは、おそらく業務用だろうが、そんなことはどうでもよい。自販機で温かいラーメンを買うことができるという事実がすばらしいのだ。

味は想像していた通りの懐かしい味わい。テーブルにコショウも置かれていたのでぶっかけて食べると、より懐かしさがこみ上げてくる。

店内は24時間営業のドライブインを知らない若い客も沢山いた。彼らからすれば、逆に新しく見えるのかもしれない。家族連れも多く、子供たちとラーメンを美味しそうに食べていた。

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店内にはインベーダーゲームやパックマンなどこれまた懐かしいゲーム機のほか、写真のようなUFOキャッチャーの原形っぽいゲームもあった。懐かしさに浸っていると、小さな子供を連れた若い男性客がジュークボックスにお金を入れた。

沢田研二の「勝手にしやがれ」が大音量で流れた。思わず、歌いそうになってしまった。若いのに選曲のセンスがよい。

「これ、誰の曲?」と、妻らしき人が男性客に尋ねると、彼は「知らない」と、ひと言。彼は沢田研二も、「勝手にしやがれ」も知らずに、テキトーに選曲したのだ。思いっきりジェネレーションギャップを感じた。

でも、自販機グルメの懐かしい味わいは、世代を超えているのは間違いない。