永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

異次元の強揉み。

自慢ではないが、私とマッサージの付き合いは長い。30代の頃から肩や首、腰などのコリが限界に達するたびに足を運んでいる。

マッサージでいちばん大切なことは、マッサージをする側とされる側の相性である。これが本当に見つからない。

やっと見つかっても、店を辞めたり、店そのものが潰れてしまうと、またイチからやり直しとなる。私もここ5、6年はずっと相性の良いマッサージの店と人を探し求めるマッサージジプシー状態だった。

私の好みは、痛いくらいの強揉み。これがなかなか難しいようで、いくら要望を伝えても応えてくれないことが多い。いや、本人は強揉みだと思っているかもしれないが、私にとっては全然もの足りないのだ。

最初は強揉みでも、時間が経つにつれて弱くなり、最終的には触っているだけという人にも遭遇した。マッサージを受けながら心の中で「カネ返せ!」と叫んでいたのは言うまでもない。

しかし、最近になって私はマッサージジプシーを返上した。相性ドンピシャの店と人が見つかったのだ。

それは岩倉市にある『Sugar + K』という店。『りらくる』のようなチェーン店ではなく、アパートの1室で施術をする個人経営の店だ。初めて訪れたのは、先月、岡山や大阪、奈良、沖縄と出張が続く前だったと思う。

E-PARKやホットペッパービューティーなどのレビューに、強揉みについて書かれていたのだ。とはいえ、これまで他の店では何度も裏切られ続けていたので、正直、あまり期待はしていなかった。

ところが、マッサージが始まって5分も経たないうちに「当たり」を確信した。時間が経つにつれて力が弱くなるどころか、どんどん強くなる。こんなの初めてだ。しかも、揉んでいるのは、オーナーである小柄な女性。どこにそんな力があるのかまったくわからないが、ゴリゴリに凝り固まっていた私の身体はフニャフニャになった。まさに異次元の強揉みである。

で、今日、左肩と左腕が悲鳴を上げていたので、ネットで予約して行ってきた。

「前回は強揉みでも“激強”でしたが、今回はどうされます?」とおっしゃるので、前回よりもやや弱めをリクエスト。まぁ、それでも十分に強揉みなんだけど。

前回は久しぶりの強揉みに耐えるのが必死だったが、今回は冷静にマッサージを堪能することができた。強揉みもさることながら、的確にツボを捉えていて、筋肉の奥にあるコリもほぐれていくことを実感した。

とくに辛かった左肩と左腕はたっぷりと時間をかけてほぐしてくれた。おかげで自分のものではないと思うくらい軽くなった。

実は左肩と左腕は、半年前くらいに車のリヤシートに置いてあるものを取ろうとしたときに痛みを感じた。治るどころかだんだん酷くなったのは、これがいわゆる五十肩だからだろう。

今は左肩を下にして眠ることもできない。間違って寝返りをうつと痛みで目が覚めてしまう。そんな状態がずっと続いている。が、今夜はぐっすりと眠れそうだ。