永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

バターチキンカレー風炊き込みご飯。

息子たちと一緒に暮らしていた頃は、月に1回くらいのペースで私がカレーを作っていた。手間ひまかけたカレーは息子たちに好評で、それが父親としての存在感を家族に知らしめるものだと思っていた。

女房との2人の生活がはじまり、カレーを作ることはなくなった。2人分だけなので、カレーが食べたくなったら、レトルトカレーで済ませていた。

そんな中、Xで炊飯器で作る「バターチキンカレー風炊き込みご飯」のレシピを見つけた。すぐに女房へレシピを送り、食材を揃えてもらった。

で、今日の夕食に作って食べることになった。食材を炊飯器に入れるだけなので、それは女房に任せて、私は〆切が迫っている原稿に取り組んだ。

あ、今日書いたのは昨日の続きではなく、あえて手を付けていない長文原稿。なぜなら、書き出しにいつも時間がかかるので、それさえクリアしておけば、明日以降の作業が楽になると思ったからだ。

昼食を挟むとやはり睡魔に襲われた。ソファで横になることもあったが、そのたびにオノレを奮い立たせた。頑張った先には「バターチキンカレー風炊き込みご飯」が待っていると自分自身に言い聞かせて。

そして、17時をまわった頃には7割、8割どころかすべて書き終えた!やはり、食いもんのエネルギーは凄まじいのである。

18時過ぎにキッチンへ行き、炊飯器を見ると18時半に炊きあがると表示されていた。あと10分くらいで食べられるのだ。せっかくなので、待ち時間を使ってスライサーでキャベツを千切りにしてサラダを作った。

「ご飯がたきあがりました」とのアナウンスが流れた。私はサラダを作っている途中だったので、仕上げにバターを加えてかき混ぜる作業を女房に任せた。ところが、女房はキョトンとしている。炊飯器の蓋を開けてシャモジでかき混ぜているようだが、バターは冷蔵庫に入ったままだ。

「バターを入れるんだってば」と私が言うと、相変わらずキョトンとしている。そして、私が女房のスマホへ送ったレシピを凝視した後
「えーーーーーっ!」と悲鳴に近い声を出した。

女房は食材を揃えたものの、レシピまで詳しく見ていなかったのだ。で、炊飯器で炊いていたのは白米……。そりゃバターを加えてかき混ぜろと言われてもピンと来ないわな。私は膝から崩れ落ちた。

「バターチキンカレー風炊き込みご飯」は明日の夜に作ることになった。