旨い鰻か高級な飛騨牛、食べるならどっち?鰻はもともと安くはなかったが、少し気合いを入れれば何とか手が届いた。しかし、ここ数年間でどんどん値上がりし、ひつまぶしは焼肉や寿司と並ぶ高級グルメになってしまった。では、こんなメニューはいかがだろう?
丸の内2丁目にある『舎人庵 とんぼ』の「飛騨牛ひつまぶし」である。こちらは岐阜県飛騨市古川町の契約牧場から直送されるA4~A5等級の飛騨牛の炭火ステーキや朴葉味噌焼きなどが楽しめる飛騨牛料理専門店。「飛騨牛ひつまぶし」は、絶妙な火加減で焼き上げたロース肉をご飯の上に敷き詰めた店の名物である。
タレはこのメニューのために作り上げたオリジナル。醤油のコクが飛騨牛の濃厚な旨みを引き立てて、繊細な脂の口どけとともに芳醇な香りが鼻から抜ける。この旨すぎるタレは何なんだ!?店主に聞いてみると、イタリアンのシェフからのアドバイスで隠し味にバルサミコ酢を使っているという。
食べ方はひつまぶしと同じ。1杯目はそのまま。2杯目は薬味のネギとワサビ、刻み海苔をのせて。3杯目は熱々のダシでお茶漬けに。私が気に入ったのは、2杯目。飛騨牛のとろけるような脂がワサビの刺激と相まってめちゃくちゃ旨いのだ。できることなら特大のドンブリでかっ喰らいたい(笑)。
アメリカ産やオーストラリア産のステーキ用の肉を買ってきて、和風の焼肉のタレで味付けしてご飯にのせれば、まったく同じ味とまではいかないにしても、似たようなものが家でも作れると思うだろう。しかし、肉そのものがまーったく違うのだ。最高級の飛騨牛だからこそ、この味が出せるのである。
ちなみに「飛騨牛ひつまぶし」の値段は、いちばんベーシックなもので3300円(税込3564円※店のHPより)。ひつまぶしとカブる値段である。さて、食べるならどっち?