永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

トレンドとカルチャー。

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またまた、告知から。

『Yahoo!ライフマガジン』にて、名古屋・栄3丁目『寿司と串とわたくし』を紹介させていただきました。

lifemagazine.yahoo.co.jp

取材にご協力いただきました皆様、ありがとうございました。

さて、ここからが本題。

食には、流行がある。ブームをいち早く取り入れて、数多くの客で賑わっている店もある。ブームはいつか去るものであり、リスクも伴う。それでも店をオープンさせるのは本当にスゴイと思う。

ゴメン。正直、そういう店に私はあまり魅力を感じない。その店で出されるのは料理ではなく、商品のような気がするのだ。このニュアンス、わかるかなぁ。

流行のグルメはニュースになるから、取材することもある。そんなときは、「トレンドを記録する」ということに意義を見出している。

例えば、一昨年に大ブームとなったタピオカドリンク。アレ、原価率が低い上に、ほとんど設備も要らないから、お祭りやイベントの屋台でも売っていた。ミルクティーの部分は「午後の紅茶」で(笑)、値段は一杯500円。ボロ儲けである。

タピオカドリンクを売っていた人は、タピオカドリンクをどのように考えているのだろう。おそらく、大半は「これでガッツリと儲けよう」と、店を始めたのだと思う。

中にはタピオカドリンクに魅せられて、他店とはひと味もふた味も違うものを研究に研究を重ねたメニューを出している店もあるだろう。ブームが去っても生き残っているのはそういう店なのだ。

タピオカドリンクの店を始めた人は、ブームが一過性であることも納得していて、ブームが終わるまでにどれだけ稼ぐことができるのかがポイントだったと思う。そうなると、やはりタピオカドリンクは単なる商品になってしまう。

逆に私が魅力を感じるのは、自分が作る料理をまるで自分の子供のように愛している人であり、そんな料理を出している店である。商売としてやっているわけだから、その料理を売って利益を出すのは当たり前である。でも、それが第一ではない。

その料理を作りたい、それを食べてお客さんに喜んでもらいたいと、店を営んでいる人もいる。さらには、その思いを何代にもわたって受け継いでいる人もいる。時代を先読みして、短期間でガッツリと儲かる店をつくる人よりも、50年、100年と続くような店をつくろうとしている人の方がはるかにカッコイイ。

時代で移り変わるのがトレンドであり、カルチャーは時代に育てられる。私は雑誌やWebメディアを通じてカルチャーを育てたい。そこにカメラマン、ライターとしての使命があると思っている。