もう、10月も終盤に入り、今年も残り2ヶ月と少し。本当に月日が流れるのが早い。年を重ねるごとに早くなっているような気がする。
あと半年で私は54歳となる。名実ともにおっさんなのだろうが、まったく実感がわかない。中身は高校時代くらいから変わっていないのだから。
そういえば、何日か前に編集者で関西大学の特任教授を務める亀松太郎さんから、11月にまたゲスト講師として講義をしてほしいとの連絡があった。
関西大学での講義は2019年から毎年やらせていただいているが、亀松さんが今年度で特任教授を辞任されるため、次回が最後となる。
前回の講義が終わった後、亀松さんがおっしゃったことに考えさせられた。それは、
「彼ら(学生たち)は、20年しか生きていないわけで、その中で挫折した経験が少ないんです。受験や恋愛……おそらく、その程度でしょう」というもの。
たしかにそうだ。私もハタチの頃はそうだったと思う。
しかし、社会に出て、30年以上経てば、嫌でもいろんなことが起こる。出会いもあれば、別れもある。大成功したかと思うと、取り返しのつかない失敗もある。喜びもあれば悲しみもある。
私なんぞ失敗だらけの人生を送っている。善いことだけしか起こらない人生ならいいのに、と何度思ったことか。
しかし、辛いこともあるから嬉しいことがあったときに喜びもより大きいものになるし、苦しみや悲しみの渦中にある人の気持ちもわかってあげられる。
そう考えると、人生において苦難も必要であることがわかる。それを学生たちに伝えたい。理解できないかもしれないけど。