永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

売掛金。

ホスのクラブでの売掛金、まぁ早い話がツケ飲みが問題視されている。

今月初め、歌舞伎町でホストの男性が客とみられる女性にカッターナイフで刺される事件があった。また、今日のこと。ホストがツケを回収するために女性客を殴った上に「まだ金あるだろ」と脅迫して、さらにATMで金を引き出させるという事件もあった。

ツケ飲みのトラブルは、昨日今日始まったものではない。私が風俗取材をしていた30年以上前からあった。ただ、ホストクラブへ通う客の大半は風俗か水商売で働く女性だったように思う。

一方、風俗嬢の前職は圧倒的に水商売が多かった。水商売から風俗への転職はパターンがあった。

スナックなどライトな?水商売で働いている女性が先輩に連れて行ってもらったホストクラブにハマった挙げ句、ツケが溜まってスナックを辞めて風俗で働くというもの。

風俗で働くようになってもホストとの関係は切れるどころか、ますます深くなっていく。だから一生懸命働いて金を稼ぎ、スナック時代よりも頻繁にホストクラブへ通うようになる。

ホストクラブのシステムも実に巧妙にできていて、初回であれば3000円や5000円で楽しめるのだ。ここで精一杯もてなしてリピートを狙う。2回、3回と通い、お気に入りのホストに勧められてボトルなどを入れると、当然お金が足りなくなる。

ホストはここで決まり文句を吐く。
「ツケでいいよ」と。これを機にツケ飲みをするようになり、自分でもいくら溜まっているのかわからなくなる。その頃に
「そろそろツケを払ってもらわないと、自分が追い込みをかけられる」とホストは女性客に泣きつく。そう言われても無い袖は振れない。そこで
「知り合いの店を紹介する」と風俗店へ連れて行く。しかも、知り合いでも何でもない店へ。店からは紹介料もせしめる。

もうその頃には女性客はホストのことを自分の彼氏だと信じている。だからこそ、好きな人のために風俗で働くのも厭わないのである。

しかし、ホストが金を貯めたという話は聞いたことがない。ギャンブルや車、酒などで散財してしまうのだ。だから、ホストも足繁く通う女性客も誰も得をすることはない。

売掛金を法律や条例で規制したとしても、ホストは自分に貢がせるように仕向けるだけであり、何の効果もない。

ホストクラブなんぞへ行かなければ何の問題も起こらないのだが、寂しさや満たされない女性たちの心を埋める場所がないのも事実。それならば、売掛金ナシ&明朗会計の健全店であることを宣言すれば、今の時代はチャンスになる。

いや、それが今のコンカフェかもしれない。コンカフェはコンカフェで大金を使う女性も多いようだが。どうすりゃいいんだろ?