永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

うなぎ蓬春。

早いもので、私の父と母が亡くなってもうすぐ12年が経つ。来月、自宅で十三回忌法要を執り行うことになっている。

長らく会っていない兄や姉が来てくれるので、法事が終わったら私のお気に入りの店でご馳走したい。

ってことで、選んだのはミシュランにも掲載された地元の人気店『うなぎ逢春』。実はここの大将の近間さんとは高校の同級生。

高校時代はクラスが違ったので、まったく交流はなかったものの、私の友人で近間さんの親戚が繋いでくれたのだ。

それもあって、お店のHPや店先のタペストリーの撮影をさせていただいた。つまり、私にとってはクライアント様でもある。

で、今夜は女房を連れて法事後の食事会の下見がてら食べに行ってきた。

肝焼き。使っているうなぎが大きいので、肝焼きもビッグサイズ。ここまで大きいのは、『うな富士』以外では見たことがない。くさみもまったくなく、肝焼きが苦手な女房も「美味しい」と言って食べていた。

お腹が空いていたので一気に完食しそうになったが、丼が来たら蒲焼と一緒に食べようと思って、3、4個残しておいた。

う巻き。たっぷりの出汁を使って焼き上げているので、噛むと口の中でジュワッと出汁が溢れ出す。フワフワ食感の玉子と香ばしく焼き上げたうなぎも最高。無限に食べられると思えるほど旨い。

上うなぎ丼。ご飯の上に3切れと、ご飯の中にも1切れの計4切れのうなぎが入る。お腹が空いていたのでご飯を大盛にしたが、運ばれてきた丼を見て少し後悔した。何しろ、大きな丼にご飯がぎっしりなのだ。その上、うなぎのこの大きさ!

ここはひつまぶしの発祥店とされる『あつた蓬莱軒』の暖簾分けだが、使っているうなぎはまったくの別物。とにかく大きくて肉厚なのである。ちなみに女房は3切れの「並」を注文したが、それでも多いと言っていた。

蒲焼を箸で半分に割いて口へ運ぶ。皮はパリパリで身はフワフワ。そして、口の中で脂がほとばしる。決してしつこくはなく、まぐろのトロのようにスッと消える。その余韻までもが美味しい。

蒲焼を頬張って、ご飯をかっ喰らう。旨すぎて全身の細胞が歓喜しているのがわかる。この量は無理かもしれないと思ったが、あっという間に完食してしまった。いやー、大満足。

法事の後の食事会が楽しみだ。みんな喜ぶだろうなー。