永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

牡蠣VSうなぎ。

昨日、浜名湖での撮影が終わったら、浜松まで足を延ばして浜松餃子を食べに行こうと思っていた。

休憩時間中に店を探していたら、弁天島界隈で11月〜3月の間にしか食べられない「牡蠣カバ丼」があることを思い出し、イッキに心を奪われてしまった。

「牡蠣カバ丼」とは、うなぎの蒲焼のタレで焼いた浜名湖産の牡蠣と玉ネギをのせた丼で、以前に取材をしたことがあったのだ。

浜名湖産の牡蠣と聞いてもピンとこない方も多いと思うが、実はかなりレベルが高い。私は名古屋市内で浜名湖産の牡蠣の天ぷらを食べて、その美味しさに驚いた。生食ができないがゆえにマイナーな存在なのだろう。

しかも、「牡蠣カバ丼」を出す店の中には、ドラマ『孤独のグルメ』にも登場した店もあるようで、撮影に同行した丸山と絶対にその店に行こうと決めて、それを糧に仕事を頑張った。

ただ、気になったのは営業時間。「売切次第閉店」とあり、仕事が終わったのは16時半すぎ。現場である浜名湖のホテルから車で3、40分はかかる。

「念のために電話してみたら?」と丸山が言うので、かけてみるとまさかの「本日は終了しました」とのアナウンス……。平日の昼しかダメということなのだろう。

「牡蠣カバ丼」は諦めたが、もう頭の中は牡蠣でいっぱいだし、身体も受け入れ態勢が完璧に整っていた。とても浜松餃子に戻ることはできない(笑)。

そこで、以前に「きんし丼」を食べた湖西市の『炭焼うなぎ 五條』を思い出した。

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「牡蠣カバ丼」の破壊力に打ち勝つには、うなぎしかないと私と丸山の意見は一致し、車を走らせた。

私が注文したのは、うなぎ半身入りの「うな丼」。丸山は「きんし丼」。で、出てきたのがトップの写真。ちなみにGR IIIのクロップ(50mm)で撮影した。

ここは名古屋と同様に、蒸さずに焼く地焼きだが、タレの味が名古屋とは異なる。さらっとしているのだ。甘くはなく、私好みの味。

着目すべきは焼き加減。皮はパリッと、身はふんわり。炭焼ならではの香ばしさが口いっぱいに広がるのだ。皮と身の間にある脂も甘く、それが染み込んだご飯も旨い。

「やっぱり、ここは旨い!来てよかった!」と、ここでも私と丸山の意見は一致した。あまりの美味しさに「牡蠣カバ丼」のことを忘れるほどだった。