永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

何もしない、という贅沢。

いつからだろう。クリスマスや大晦日にワクワクしなくなったのは。

結婚する前、クリスマスは誰もがそうだったように彼女との一大イベントだった。プレゼントや食事をする店を考えるだけでワクワクしたものだ。

結婚して、子供が生まれると、クリスマスは家族の一大イベントとなった。イブの夜、枕元にプレゼントを置く楽しみもクリスマスにはあった。翌朝、パジャマ姿で大喜びしている息子たちの姿は忘れられない。

大晦日は新しい年を迎えることに理屈抜きでワクワクしていた。でも、今はそこまでは気分がアガらない。なぜだろう。

年を取ったとか、子供が大きくなったというのも一つの理由だろうが、最大の理由は私自身の気持ちの部分。

クリスマスや大晦日に価値を見出せなくなったのだ。いや、大晦日はまだマシかな。年が明けるとともに気分も一心できるような気がするから。クリスマスは1ミリも興味がなくなった。あ、こういう言い方はよくないな。卒業したことにしておこう。

昨日は、家族の年賀状を作ったら、何もしたくはなくなった。本当は仕事場の大掃除をしなくてはならなかったのに。で、本当に何もしなかった。

テレビはついているけど、集中して見ていないので頭の中に何も入ってこない。PCもネットに繋がっているものの、テレビのチャンネルを変えながら見ているようで、こちらもまったく頭に残らない。

でも、不思議と無駄な時間を過ごしたとは思っていない。「何もしない」ことをしているのだ。たまにはそんな日があってもイイじゃないか。

何年か前に岐阜県の山奥にあるホテルに取材がてら泊まったことがあった。そのホテルの部屋にはテレビがなかった。「ここでは何もしない」というのがホテルのコンセプトだったのだ。ネットは繋がったが、私はあえて見ず、本当に何もしなかった。それがとても心地よかった。

クリスマスだから、大晦日だから、お正月だから何かをしなければならないのか。否。何もしない、という贅沢もあるのだ。私のお正月休みは3日まで。今日、仕事場の大掃除をしたら、ブログを書くこと以外は何もしない。そう決めた。