永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

邨井シェフ。

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久しぶりに邨井シェフと会った。

「昨年の3月くらいから、何かを変えようとずっと思っていた」と、語った。

昨年3月といえば、新型コロナの感染が拡大した時期である。しかも、邨井シェフの店は名古屋最大の歓楽街、中区錦3丁目。影響がないわけがない。

業種がレストランであっても、錦3というだけで人が寄り付かなくなった。あれだけ多くの人で賑わっていたのに、人通りはまばらになった。その様子は何度もテレビで放映され、そのたびに人影は消えた。

そんな中、邨井シェフは自問自答を繰り返した。そして、一つの方向性を見出した、という記事を今書いている。

飲食店を続けていくには、従業員の給料や家賃、水道光熱費などの固定費がかかる。客足が途絶えたら、利益どころか経費すら払えなくなる。邨井シェフに限らず、飲食店の経営者はそんな危機もあったと思うし、今もなおその渦中にある方も多いと思う。

それよりも何よりも料理人にとっていちばん苦しいのは、料理を作ることができないことだ。私も取材の現場に行けなかったことがいちばん辛かった。まだまだ新型コロナの終息には至っていないが、今こうして取材に行けることが何よりもありがたいし、楽しい。

「オレ、料理は作れるけどさ、商売は苦手なんだよ」と、邨井シェフは笑うが、取材中、予約の電話が何度も入った。直接店を訪ねてくる人も何人かいた。まだ結論を出すのは早いかもしれないが、邨井シェフの決断は間違っていなかったと思う。

記事の公開は今月中。公開されたら告知します。お楽しみに!