永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

モノ創りか、業務か。

f:id:nagoya-meshi:20211212223317j:plain

料理の取材・撮影の現場が好きだ。

料理人が丹精込めて作った料理が目の前に運ばれて、どのように撮ればより美味しそうに見えるかを瞬時に考えて、カメラのアングルを調整する。

手早くシャッターを切り、撮影した写真をカメラの背面モニターに映して料理人に見せる。すると、現場はわーっと盛り上がる。

写真に触発された料理人は、これでどうだ!と言わんばかりにまた美味しそうな料理を持ってくる。私もそれを迎え撃つかのように、バシーッと撮影する。

それを見た料理人のテンションが上り、また料理を作る。いわば、料理の取材・撮影の現場には、モノを創る者同士でしかわからない独特の世界があるのだ。

ところが、中には例外もある。ということを最近知った。

とくに店の規模が大きい場合、料理の撮影は、店を運営する会社にとっては、モノ創りというよりも業務の一環として捉えられる。

と、なると、優先されるのは、効率だったり、撮影するカット数だったりして、クオリティは二の次となる。

しかし、ここで私がクオリティを優先させることを主張してはならない。仮にしたとしても、空回りするだけ。そもそもめざすものが違うから、言葉が通じないのだ。

撮影を業務として捉えてらっしゃるなら、モノ創りは置いておいて、こちらも業務としてお応えするしかない。

うん、私も少しは大人になったな(笑)。