永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

SNSやブログの向こう側。

私の母は、テレビのニュースやワイドショーを見ながら「うん、うん」と頷いたり、ときには「たーけ(名古屋弁で馬鹿者や愚か者という意味)だわ!」と怒りをぶちまけていた。

女房も母と同じようなリアクションをするようになった。とくにウクライナ情勢を報じるニュースを見ると、「なんてことをするんだろう」と悲しそうに呟いている。

たぶん、私もテレビに向かって何か言っていると思う。私の場合、幼い子供がバカ親に虐待されて亡くなったり、未来ある中高生がいじめによって自殺したりするニュースが報じられると、怒りがこみ上げてくる。

テレビに向かって「お前が死ね!」くらいのことを言ってるかもしれない。いや、間違いなく言ってるな。

テレビに向かって何か言っている人は多いと思う。中には嫌いな芸能人が映っただけで文句を言う人もいるかもしれないが、いくらテレビに吠えても相手には伝わらない。

ところが、SNSやブログはそういうわけにはいかない。投稿したコメントは必ず相手に伝わる。

私の知り合いに5年間、毎日コツコツとブログを書いていた人がいる。しかし、あまりにも非道いコメントをするヤカラのせいで心が折れて、ブログを続けるのを断念したという。

1日100人から150人くらいしか来ない私にでさえ、たまにイラッとくるコメントが来ることもある。基本的に「珍獣を眺める」スタンスなので何も思わないが、落ちていたり、凹んでいたりしたときに見たらショックを受けるかもしれない。

SNSやブログの向こう側には、感情を持った人がいるのである。私もそれを忘れないでおこうと思う。