永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

紙片。

写真に映っているのは、ただの紙。厳密にいえば、110mm×100mmの紙片にパーマセルテープを全面に貼り付けたもの。

実はこれ、写真が劇的に変わるスグレモノなのである。昨日のブログでも触れた覆面取材で撮る写真が誌面に使われるということもあって、試しに作ってみたのだ。って、5分もかからなかったけど(笑)。

この紙片は、覆面取材時のように店内の照明を光源にして撮影するとき。カメラには白いものを白く映るように色を自動で調整してくれるオートホワイトバランスという機能がある。

が、実は万能ではない。蛍光灯やLED照明の下での色再現はほぼ完璧だが、ランプ色のLED照明や窓から太陽光が差し込んでいたりすると迷いまくる。結果、オレンジや青の色被りを起こしてしまう。

そこでこの紙片が活躍するのだ。使い方はいたって簡単。席に座ったら、すぐに紙片を撮影する。で、出された料理も撮影する。たったそれだけ。あ、一つ言い忘れていた。RAWで撮影するのだ。

Lightroomなどの画像加工ソフトで紙片を撮影した写真を出して、紙片をターゲットにしてホワイトバランスをとる。もっとわかりやすく言うと、スポイトのようなアイコンを紙片の上にのせてクリックする。それがテーブル上の正しい色温度となる。

そして、紙片の写真の設定をコピーして、料理の写真にペーストすればホワイトバランスが反映されるというわけだ。

これでiPhoneは完全に仕事で使えるカメラになった。さしがに覆面取材時に撮影した写真をここで出すわけにはいかないが、テストで撮影したほかの写真をアップしようと思う。お楽しみに!