永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

豊かな時間は、豊かな心を育む。

もともと物欲はある方ではなかったが、50歳を過ぎてから顕著になった。物欲というよりも欲望全般。とくに性欲の減退は著しく、私自身も驚いている。って、誰も聞いてないか(笑)。

あっ、それと撮影機材が欲しいというのと、あれが食べたい・これが食べたいという食欲は別ね(笑)。それらはお仕事でもあるのだから。

欲望を満たすことよりも、心を豊かにしたいと思うようになった。愛車のカングーも走りではなく、カングーに乗って過ごす時間に価値を見出して購入を決めた。まぁ、それも物欲だといわれればそうかもしれないけど(笑)、所有欲ではないんだよね。

豊かな時間は、豊かな心を育む。

私の場合、カングーでアテもなくドライブするのも豊かな時間。見知らぬ土地で何かを食べたり、レンズを向けたりするのも豊かな時間。

お気に入りの喫茶店でご飯を食べたり、コーヒーを飲んだりするのも豊かな時間。

そんな時間を1分、1秒でも過ごすことが幸せってものではないのか。

それと、毎朝私は朝食を作っている。ケトルでお湯を沸かしてコーヒーを淹れたり、冷蔵庫にあるものでメニューを考えたり、自分なりに工夫して作ったりするのも豊かな時間。

そして、作った朝食の写真を撮るのも豊かな時間。ちなみに撮影には、スマホではなく一眼レフを使っている。しかも、jpgの撮って出しではなく、RAWデータで撮影して、きちんとPCで現像している。それもまた、私にとって本当にかけがえのない時間。

もちろん、自分で作った朝食を食べるという行為もね。空腹が満たされただけではなく、心も豊かになったような気がするのだ。

豊かな時間と豊かな心。これからの時代のキーワードになると確信している。飲食店であれば、お客にいかに豊かな時間を提供できるか。物を売るなら、その商品を通じてユーザーがいかに豊かな時間を過ごしてもらえるのか。

「インスタ映え」のような食べ物は、豊かな時間とは少し違うと思う。食べ物や商品、または店そのものにあるストーリー。それも作られたものではなく、リアルなもの。私はライターとして、読者に豊かな時間を提供するためにそのストーリーを追いかけていきたい。