永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

如水。

長男が夕食は要らないと言うので、今夜は女房と外食。と、言ってもラーメンだけど(笑)。向かったのは、自宅から車で15分ほどの場所にある『徳川町 如水 西春店』。到着したのは19時過ぎだったが、先客が1組しかおらず、10分も待たないうちに席へ案内された。

すると、後から後から客が入ってきて、待合のベンチはあっという間に満席になった。タイミングがよかったのだ。

『如水』では、 私はいつも店の代名詞ともいうべき「塩」を注文する。そのたびに2002年か2003年頃に徳川町の『如水』へ取材へ行ったときのことを思い出す。

当時はまだグルメ取材をはじめたばかりの頃で、撮影が終わった後に食べさせてもらった「塩」がとても美味しくて、それ以降は客として通ったほど感激した。

『如水』の創業は2000年。23年間も店が続いているということもスゴイが、「塩」の美味しさがずっと変わらず、今もなお人々に支持されているということが本当にスゴイ。単なる塩ラーメンではなく、唯一無二の『如水』の「塩」なのである。

『如水』の卓上にはメニュー以外何も置いていない。コショウもなく、出されたそのままを味わってほしいという店の意志がうかがえる。

『如水』ほどの店になると、「ラーメンを食べに行こう」ではなく、「『如水』へ行こう」となる。つまり、『如水』へ行くことが目的となる。飲食店のめざすべきはそこなのだ。

いや、飲食店のみならず、どの仕事も同じだ。私も「ナガヤに撮ってほしい」、「ナガヤに書いてほしい」と、言われたい。いや、言われてみせる。