永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

京都へ。

今日は京都へ。

20年前に生まれるはずだった子供の供養が旅の目的である。性別もわからないまま亡くなったが、私は娘だと勝手に思っている。

3人目の子供がいたことは忘れないようにしているものの、どうしても記憶が薄れてくる。だから命日である10月5日は、仕事を入れずに京都まで供養へ行くのだ。

生まれていたら、20歳。友達と話したり、恋をしたり、将来の夢を抱いたりと人生でいちばん楽しく、充実している時期だろう。お酒を飲める年齢にもなっているし、一緒に食事へ行ったら楽しいだろうなぁ。

目を閉じて、手を合わせたら、長男と次男、そして娘が楽しそうに話している姿が心に浮かんだ。娘がいたら、長男はやさしく見守り、次男は心配するだろうと想像して、思わず笑ってしまった。

また、10月5日という日は、取材や撮影抜きで旅を純粋に楽しむ機会を娘に与えてもらっていると思い、前からとても楽しみにしていた。

今回は、風神雷神図屏風や法堂天井画「双龍図」が有名な建仁寺へ初めて行った。「双龍図」はとても迫力があり、見ていると吸い込まれそうな錯覚に陥った。

建仁寺以外にも写真を撮ってきたので、時系列順に載せていく。

普段、〆切やスケジュールのやり繰りに四苦八苦しているが、1年に1回くらいは目に見えない世界に思いを馳せ、敬虔な気持ちになることも必要だと思った。