永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

掌。

一昨日の夜から長男が帰省している。とはいえ、夜は趣味の昆虫採集で出かけてしまうので、一緒に過ごすことができなかった。何しろ、帰省して初めて長男の顔を見たのも今日の午前中だったのだ。

で、今日の昼過ぎに静岡へ帰るという。それではちょっと寂しすぎるので、昼食を食べに行くことにした。静岡にはあんかけスパの店がないだろうから、近所の『パスタ・デ・ココ』へ。

食べ終わって帰宅したら、睡魔に襲われて仕事場のソファで眠ってしまった。1時間ほど経っていただろうか。長男が仕事場へやってきて
「また、来るわ」と私に声をかけた。それで目が覚めた。思わず、私は長男に握手を求めた。すると、長男は私の手を握った。

その瞬間、幼い長男と手を繋いで歩いていた頃の記憶が頭の中で溢れ出てきた。小さくて、やわらかくて、あったかい、あの手の感触。すっかり大人になってしまったが、掌から伝わる温もりは幼い頃と何ら変わっていなかった。

それが確認できただけで心は満たされた。今度は思いきりハグしてやろうと企んでいる(笑)。