永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

コンパルの魅力。

昨日のブログにも書いた通り、今日は編集者の山本由樹さんと仕事。栄で取材を終えてから、お茶でもしようということになり、大須のコンパルへと車を走らせた。

その途中で御器所のコンパルを思い出して、進路を変えた。大須店は以前に行ったことがあったのだ。コンパルの中でも大須店はいちばん歴史が古く、レトロな雰囲気がたまらないのだが、御器所店も大須店とは違った魅力がある。それを伝えたかったのだ。無料駐車場もあるしね。

予想通り、山本さんは「近所にあったら毎日通う」と、大喜び。っていうか、東京の編集者をコンパルへ連れて行くと誰もが喜ぶ。コンパルには東京の人たちを魅了する不思議な力があるのだ。

そりゃたしかにコンパルは魅力ある店だと思う。しかし、何というのかな。温度差のようなものを感じるのだ。地元で暮らす者としては、昔から当たり前のように存在しているので、今ひとつ気がついていない部分があるのだ。

そこで、コンパルの魅力を思いつくまま書き出してみる。

老舗である。歴史を感じる。

コーヒーやサンドイッチなどが美味しい。

雰囲気が良い。居心地が良い。

接客・サービスが良い。

……。何だかなぁ。文章にすると、こういう店はコンパル以外にも沢山ある。と、なると、コンパルの魅力とはいったい何なのか。

1つは、名古屋らしくないところだろう。コーヒーに豆菓子も付かないし、モーニングも有料だ。名古屋の喫茶文化を牽引してきたのは間違いないが、独自路線を突き進んできたのがコンパルなのだ。

もう1つ。老舗店、それも大衆的な店と共通する部分だが、店に足を運ぶ人々の営みというか、賑わいのようなものであり、店に客がいなくても伝わってくるのである。それが居心地の良さにつながっていると思うのだ。

仮に「賑わいの空間」と名付けよう。それはマーケティングの手法など人工的に作ることができない。店が歩んできた歴史が作り上げていく、言い換えると、店で働く人と店を訪れる人で育てていくものなのである。

コンパルの魅力は「賑わいの空間」に尽きる。