永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

民主主義。

本当は今日、名古屋駅近くの居酒屋で撮影した写真を載せようと思っていた。しかし、衝撃的な事件が起こったので、自分自身の気持ちを整理するべく、心に思ったことを綴ってみようと思う。

今日の昼前、安倍元首相が銃撃された。私は撮影の合間に見たtwitterで知った。そして夕方、死亡が確認された。

安倍元首相の政治信条については相容れないが、日本国民の一人として心よりご冥福をお祈り申し上げます。

安倍元首相銃撃のニュースが駆け巡ると、政治家や評論家がコメントを寄せた。

「民主主義の根幹である選挙の中で行われた卑劣な蛮行である」と。間違ってはいない。正論である。

民主主義は物事を話し合いによって決めていくわけで、納得行かないからといって暴力で訴えるのはオカシイ。安倍元首相を殺害した犯人に1ミリも同情の余地はない。

SNSでもいろんな意見があった。中には「ざまあみろ」というものも。それは違うと思う。犯人の蛮行を肯定することになるのを気が付かないのだろうか。

また、熱烈な安倍元首相の支持者なのだろう。「安倍さんを攻撃していた“アベガー”に殺されたようなものだ」という意見もあった。やり場のない悲しみをぶつけているのかもしれない。いや、そう信じたい。でも、これも違うと思う。

日本には言論の自由というものがある。話し合いによって物事を決める民主主義の根幹である。人格攻撃は論外だが、いろんな意見があってもよいし、少数意見も尊重すべきである。

憚りながら申し上げる。安倍政権下では民主主義を軽んじている部分が少なからずあった。私はそれをブログにも書いたことがあった。

nagoya-meshi.hateblo.jp

だから、「民主主義の根幹を揺るがす」とか「言論封殺だ」とコメントしている政治家に違和感を覚えた。

安倍元首相は、かつて「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と異を唱える人、それも政治家ではなく市井の人に対して言い放った。結果、この国を、国民を分断した。

安倍元首相の死によって、ますます分断化が進むかもしれない。私は民主主義とは何かを今一度考え、活発な議論が行われる契機になることを望む。

だから、自民党はこの参院選を絶対に「弔い合戦」にしてはならない。正々堂々と政策を語れ。そして、国民であるわれわれは納得できる政策を掲げる政党や政治家に票を投じるのだ。