永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

ルール。

先日、フレンチから別ジャンルへ転向したシェフと会う機会があった。彼の年齢は、私より3つ上の56歳。まぁ、同世代と言ってもよい。

フレンチのシェフとしてのキャリアは30年。うち10年はオーナーシェフとして店を経営していた。しかも、ミシュランでビブグルマンにも選ばれたほどの腕を持っていた。

料理のジャンルを変えるというのは、雑誌やメディア系のカメラマンである私がブライダルや写真館の仕事に鞍替えするようなもの。そんなの、絶対に無理だ。しかし、彼は新たなジャンルでも成功している。

フレンチ出身というのがウリではあるが、彼の料理をパッと見ただけではそれがほとんど使わってこない。いや、実際はフレンチ時代に築き上げたスキルを思いっきり投入しているんだけどね。

「オマール海老やトリュフなど、ひと目でフレンチとわかるようなことはしないと自分にルールを課したんだよ」と、シェフ。めちゃくちゃカッコイイ。

今のジャンルに転向したのは、50歳のとき。私と同じように、いや、私なんぞシェフの足元にも及ばないけど、きっと立ち止まって、これからの生き方を考えたのだろう。

私が自らに課しているルールは、このブログ。今は毎日更新するのが精一杯で、読み応えのある内容にはなっていない。私自身、仕事のジャンルを変えるつもりはないけど、写真や取材、文章の技術を磨いていきたい。