永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

越える。

今日は、近日オープン予定の店のメニュー撮影。オファーをいただいたのは、岡崎市『つけめん舎 一輝』や安城市『唐揚げ専門 いっき商店』を経営する杉浦正崇さんだ。

ご存知かもしれないが、杉浦さんの実家は「北京飯」が有名な安城市『北京本店』。店は弟の充俊さんが継いでいて、杉浦さんはラーメンの修業を積んで、『つけめん舎 一輝』を三河を代表する人気店にまで成長させた。

近々オープンする店は、杉浦さんにとっても大きな挑戦だという。

「じいさんが作った北京飯で食っていると思われるのが悔しいんですよね。北京飯ではない僕の名前を聞いただけで連想される名物を作ることがじいさんを越えることになると思うんですよ」と、杉浦さん。

いやいや、誰もそんなことは思ってないし、店を継いだ充俊さんだって、北京飯をゼロベースで食材を見直してブラッシュアップさせている。本人は飄々としているが、血の滲むような努力をしたに違いない。

傍から見ると、先代や先々代が遺してくれた財産は堂々と使えばよいと思うが、杉浦兄弟は根っからの料理人なのだ。北京飯を考案した偉大な祖父を乗り越えたいと思うのも無理はない。そして、写真撮影を通してその手伝いをさせていただけるのはとても光栄なことである。

今回は、店の看板に載せる料理の写真を撮影した。メニューとしてはごく一部となるので、近いうちにまた行くことになる。再び杉浦さんの熱い話が聞けると思うと楽しみだ。杉浦さーん、本日はありがとうございました♪

ところで、私が越えるべきものとは何だろう。