永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

想吃担担面。

今日は、「ぴよりん」のクリスマスケーキの撮影。現場はいつもと異なり、運営会社の会議室。今日のお昼は会社の近くにある『想吃担担面(シャンツーダンダンミェン)』で「汁なし担々麺」を食べた。

今でこそ、名古屋市内には担々麺の専門店が沢山あるが、ここが名古屋の担々麺界のパイオニアであるのは間違いない。ちなみに元祖は、名古屋都ホテルの『四川』だろう。

『想吃担担面』のオープンは、愛知万博が開幕した2005年。名古屋駅新幹線地下街『エスカ』にオープンしたばかりの店へ取材に行ったことを今でも覚えている。

私が「汁なし担々麺」を初めて食べたのもここ。五香ラー油と芝麻醤のバランスは言うまでもなく、混ぜて食べるという行為そのものが当時は斬新に思えた。また、麺を食べ終わった後に無料で付く麦ご飯を入れて「担々飯」で〆る、いわゆる「追い飯」もソソられた。

今では「追い飯」と聞いて連想するのは「台湾まぜそば」だろう。しかし、その発祥は、『想吃担担面』がオープンして3年後のこと。「追い飯」の元祖は『想吃担担面』かもしれない。

名古屋の担々麺界のパイオニアと書いたが、中川区の『錦城本店』(現在は熱田区日比野へ移転)を挙げる人もいると思う。私も『錦城』の担々麺は好きで、小牧市にあるフランチャイズ店へたまに食べに行く。

しかし、ここで注文するのは汁あり。汁なしは私にとって辛すぎるのだ。きっと、本場四川の担々麺のルーツに則ってレシピを確立したのだろう。

一方、『想吃担担面』の汁なしは、辛いことは辛いが、それよりも五香ラー油と芝麻醤の味や香りの方が勝るのだ。そして、汁なしの特徴である平打ち麺。

名古屋の担々麺専門店だからきしめんを意識して平打ちにしたのではない。平気でそんなデマを流す者もいるが、断じて違う。五香ラー油や芝麻醤、肉味噌の濃厚な味わいに汁ありに使っている細麺では負けてしまうからだ。

名古屋における担々麺の歴史は、名古屋都ホテル『四川』から始まり、今までなかった汁なしを世に送り出した『想吃担担面』が花を咲かせたと言っても過言ではないだろう。