永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

活字芸者。

昨日からブログに異変が起きている。2021年9月29日に書いた記事にアクセスが集中しているのだ。

nagoya-meshi.hateblo.jp

その記事が↑こちら。どこか有名なサイトでリンクが貼られているのだろうか。いったい、何が起こっているのだろう。

あれから2年以上が過ぎた。10月5日(木)に公開された『文春オンライン』によると、神奈川県大和市にあるラーメン店『麺匠 八雲』は休業状態で、店主で元バイトAKBの梅澤愛優香氏も行方知れずだという。

記事を書いた2021年9月29日の段階では、私は梅澤愛優香氏の方に分があると書いた。その後、ラーメンに使っている食材の産地偽装や実質的なオーナーといわれる男性の犯罪歴が明らかになった。

私自身、とくに驚くことはなかったが、結果的にはラーメン評論家さんがおっしゃっていた「ヤバい店」だったのだろう。

しかし、私が記事で異を唱えたラーメン評論家さんの取材スタンスについては今も考えは変わっていない。

私の友人でタレントの福田ちづるさんは、かつて自らのことを「電波芸者」と呼んでいた。テレビはスポンサーがいて成り立つものであり、タレントは自分の意志で自由に表現することができないという皮肉が込められている。

私が主戦場にしているwebメディアや雑誌もスポンサーがいるものの、テレビほどシビアな世界ではない。ありがたいことにこれまでずっと好きなことを書かせてもらっている。取材ライターたる者は、「活字芸者」になってはならないのだ。

「名古屋めし」をテーマに取材活動をすれば、採り上げてくれるメディアも多いだろうから食いっぱぐれることはないだろう。喋りが上手ければ、テレビや講演会の仕事も来るだろうし。

しかし、「電波芸者」と同様、自由に取材活動ができないのだ。おそらく、「名古屋ライター」や「名古屋めしライター」と呼ばれる人は自覚すらできていないだろうが、「名古屋めし」について全肯定するスタンスが求められるのである。

「名古屋めし」は民間から生まれたコトバである。そこに愛知県や名古屋市がうまく乗っかり、現在の観光行政がある。名古屋観光のキラーコンテンツとして行政が位置づけた「名古屋めし」を全肯定していては、行政のチェック機関であるメディアはその役割を果たすことができなくなるではないか。

「名古屋めし」というコトバが誕生して20年以上が経ち、愛知県以外の都道府県の人は、溢れかえっている「名古屋めし」というコトバと情報に食傷気味なのである。

何度でも書くが、「名古屋めし」とひと括りにするのではなく、例えば、味噌かつをとんかつとして、きしめんや味噌煮込みうどんを麺料理としてきちんと評価するのだ。それは一事業者へ利益を誘導しかねないので行政にはできない。そこでフードライターの出番となる。私はそのチャンスを待っている。

 

※写真は、久しぶりに食べた『うま屋』の大盛チャーハン。iPhoneで撮影して最新バージョンの「Lightroom」の新機能、レンズぼかしで加工してみた。ぎこちない部分はあるものの、文章中心の記事であれば、撮影はiPhoneでイケそうだ。