永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

一蓮托生。

今日は名古屋駅でぴよりんや丼もの、ラーメンなどの撮影。

原材料費や水道光熱費、そして人件費の高騰により、メニューを値上げせざるを得なくなり、盛り付けなどが変わるため、撮影せねばならなくなったのである。

一昨日だっけな。Xでラーメン店のオーナーが有名なラーメン評論家に店で提供している980円のラーメンについて「強気な価格設定」と書かれたことを嘆いてらっしゃった。

新型コロナも明けて、飲食店の客足は元に戻ったと思っている方も多いと思う。しかし、私が取材や撮影で飲食店の方から耳にするのは正直、イイ話ばかりではない。

とくにラーメン店はかなり苦しい状況にある。何しろ、ラーメンを作るのに使うものすべてが値上げされたのだ。小麦粉や油、調味料も、豚骨や鶏ガラ、肉、野菜もすべて。それに加えて、ガス代や電気代、水道料金も上がっている。

さらに人件費も時給1200円払っても人が集まらない。スタッフ不足でランチを休んだりする店も少なくはない。

美味しいラーメンを作ろうとすると、食材を選ばねばならず、それが結果的に原価率を上げることになり、いくら売っても儲からない負のスパイラルに陥る。これでは何をやっているのかわからない。実際に今、ラーメン店の閉店が相次いでいる。

従業員が自分と奥さんだけならまだガマンしようと思うかもしれないが、他に従業員がいたら、経営者として彼らの生活も守らねばならない。

今のこの現状の原因は、この国の政府の無策にあるのは間違いない。何しろ、30年以上も給料が上がっていないにもかかわらず、物価上昇の中で増税している。もう、狂気の沙汰としか思えない。現状を変えるには選挙で「ノー」を突きつけるしかない。

まぁ、それがいつ来るのかもわからないが、私はライターとして取材対象である飲食店の皆様に寄り添い、私で役に立てることがあれば喜んでお手伝いをさせていただこうと思っている。私と飲食店の皆様は一蓮托生なのである。