永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

プロとしての仕事。

今日は岐阜市内で某ミシュラン掲載店の取材・撮影。いやー、スゴかった!

私は取材も撮影も文章もすべてワンオペなので、取材先さえ承諾していただければ、取材から始める。

話をしながら、撮影する内容も決めるためだ。もちろん、撮影するものは編集部から指示を受けている。ざっくりとだけどね。例えば、「調理風景」とだけ。具体的に何を調理してもらうのかは現場での判断となる。

撮影を先にしてしまうと、話を聞いた後に「うわー!あれも撮ればよかった!」てなことになりかねない。それを防ぐために先に取材を進めるのである。

さて、料理は手を抜こうと思えばいくらでできる。ネットを叩けばいくらでも時短料理が出てくるし。わが家で利用しているOisixもそのカテゴリーに入るだろう。20分くらいで作ることができるのだから。

しかし、お金をいただくとなるとそういうわけにはいかない。厳選した食材を手間ひまかけて作るから、人々に愛され、ひいては商売として成り立つのである。

魚介からだしを取るために骨やアラをローストしたり、乾燥させたりして焼干しを作るし、肉も6、7時間かけてゆっくりと低温調理をしてから炭火で焼き上げる。もう、果てしない時間をかけて仕込んでいるのである。

店主の話を聞いて、それが思いきり伝わってきた。同時に私の仕事も同じことがいえると思った。

最近はミラーレスカメラもかなり性能が良くなっていて、それこそ押すだけでキレイに撮影できる。たとえ失敗しても、PCで補正できるし、それこそAIを使えばできないことはない。

しかし、私のようなフィルム世代は、PCでの補正をいかに少なくするかを主眼に撮影する。場灯りで撮影すると色かぶりするし、そもそも美味しそうに撮れないから照明機材を使う。1灯が基本だが、足りないと思えば2灯も3灯も使う。

そりゃ場灯りで撮った方が機材も少なくて済むからラクだし、時間もかからない。が、やはり、それでお金をいただくわけにはいかない。1枚にどれだけ手間ひまをかけることができるかがプロとしての仕事なのだ。

 

※写真と本文は関係ありません